動く環境を与える心掛けを
 ――運動不足の改善が必要なのですね。
 そうです、数十年前でしたら、親が放っておいても、子どもは自然と外で遊び、必要な運動を自分たちでつくり出して遊んでいました。しかし今は、適切な運動をできるように、親が環境を与えなければいけない時代です。
 昔と比べて、今の子どもは驚くほど体格が大きくなりました。ここ50年間で、11歳の子で比較すると、身長が約14センチ、体重が約10キロも増えています。豊かな物に恵まれ、目覚ましい成長を遂げたのです。
 その一方で、運動能力はずっと下降してきました。
 ――親に心掛けてほしい点はありますか。
 体を大きくすることばかりに重点を置くのではなく、これからは〝動きをつくる〟ことも心掛けてほしいですね。
 あらゆる体の部位を動かすことです。動かすことで、人間として正常な発達をしますし、脳にも良い影響を与えます。テレビゲームや塾通いばかりで、家の中に閉じ込めてはいけません。
 「動きが育てば心が育つ」「動きが育ては体が育つ」と私は主張しています。
 ――幼児期の子どもと家庭で簡単にできる運動を教えてください。
 親子で簡単にできる運動の一例を、別掲で紹介します。もちろん、これさえ続けていればよいというものではありません。
 子どもは飽きやすいので、さまざまな新しい運動を親子でつくり出し、チャレンジしてみてください。スキンシップを重ねることで、心の触れ合いにもなるでしょう。
コアラに変身(3歳以上)
遊び方 親は足を肩幅に開き、両腕を横に伸ばして立つ。子どもは親にしがみつき、しがみついたまま親の体を1周する。
効果 体を上手にコントロールする能力を養える。
人間ゴム跳び(5歳以上)
遊び方 親は両足を前に伸ばして座り、足をゴムひものように、閉じたり開いたりする。子どもは、それに合わせ、自分の足を開いたり閉じたりしながら(親が開いているときに子は閉じ、親が閉じているときには子は開く)、親の足の上を跳ぶ。
効果 リズム感覚や、動きを素早く切り替える能力を養える。
ペダルこぎ(3歳以上)
遊び方 親と子で向かい合って座り、両足の裏を合わせる。足の裏を離さないように、互いの足を押したり引いたりする。バランスを取りながら、リズミカルに足を押し合うようにしよう。
効果 リズム感覚を養える。

おわり