先進的なビジネス支援
静岡・御幸町図書館
 JR静岡駅から徒歩5分。県庁にも近いオフィス街にあるビル「ペガサート」の4、5階に、静岡県立御幸町図書館があります。
 電子メディアも駆使したビジネス支援、外国人住民に役立つ多言語サービスなど、同館は先進的な取り組みで注目されています。
 昨秋、NPO(民間非営利団体)法人「知的資源イニシアティブ」による「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2007」で、優秀賞と会場賞を受賞しました。
 4階が児童書・一般書のフロア。5階がビジネス書・外国語図書・郷土資料のフロア。特に、同じビルの上階にある産学交流センターと連携し、ビジネスに関する図書・雑誌を豊富にそろえている点が際立っています。
 「確かにビジネス支援を打ち出してはいますが、当館は起業向けに特化している意識はまったくありません。起業で使えるものは、幅広い分野に有用なのです」と、豊田高広館長は語ります。
 本棚には日本十進分類法に従って普通に図書が並びますが、「工業デザイン」「発明」「知的財産」など分野別の〝見出し表示〟が目を引き、配列は一目瞭然。選書も吟味され、医学関係のコーナーには高価な専門書もそろい、医療機関の利用者からの問い合わせにも対応しています。
 電子図書館コーナーでは、判例や法令、官報、起業・マーケット情報、工業、商業統計など、専門的なデーターベースが利用でき、利用方法の講習会も行っています。
 暮らしや仕事の中では得にくい情報を、全方向で得られるようにサービスを提供するのが図書館であると、豊田館長は強調します。
 「特に外国人や障害者、子どもといった〝情報弱者〟に対しても、分け隔てなくサービスするのが図書館の使命です。電話で結構ですので、気軽に問い合わせください。また、そうした問いを発する利用者が、良い図書館を育てるのだと思います」

 このほかにも、神田神保町の古書店案内などを行う「コンシェルジュ」のサービスが好評の千代田区図書館(東京)、電子図書システム「デジタル岡山大百科」で郷土に関する貴重な資料も検索できる岡山県立図書館など、ユニークな情報提供に力を入れている図書館は、全国にたくさんあります。
 公立図書館は皆の財産――仕事でも生活でも上手に活用して、聡明な暮らしづくりに役立てていきたいものです。
おわり