街中の通行を妨げる放置自転車。その台数は駅前だけでも全国で約38万7000台(2005年、内閣府調べ)に上ります。各地の自治体では指導や撤去など、さまざまな対策を講じていますが、ここでは、リサイクルして学生に無料で貸し出している福島県の事業者のユニークな取り組みを紹介します。
キャンパスに乗り捨て?
駅前や商業施設の周辺のほかに、意外と放置自転車が多いのが、大学の構内です。
広いキャンパスを移動するのに、自転車は便利なため利用者が多く、卒業と同時にそのまま構内に乗り捨ててしまうケースが多いようです。キャンパス内に、1000台もの自転車が放置されている大学もあるとのこと。
そうした放置自転車を回収して修理し、学生に無料でレンタルする取り組みが注目を集めています。運営しているのは福島県のベンチャー企業「㈱バイクオフコーポレーション」。
きっかけは、ある国立大学に放置バイク回収の提案を行ったところ、バイクと共に自転車が多数放置されており、大学側も対応に苦慮しているという話を聞いたことでした。
そこで大学と協議し、大学で警告・保管・盗難照会を行った後、バイクオフが回収。引き取った276台の自転車のうち、再利用できるものを修理して、1台3000円で学生に販売したことが始まりでした(05年4月)
費用は広告費で
当初は学生にも好評で、話題になりました。が、販売した自転車が再び乗り捨てられていた事実が判明。「〝安い中古自転車だから〟といった気持ちが、自転車を粗末に扱うことを助長しているのではと思い、それからは弊社が所有し、それをお貸しして大切に使っていただこうと考えました」(バイクオフ担当者)
取り組みの名称を「エコチャリ」と名付け、幅広く各地の大学と連携。学内の掲示板や同社のホームページなどで定期的に利用者を募集し、学生の経済状況や利用動機なども考慮した上、厳正に抽選して利用者を決定します。
たとえ留年しても、学生は卒業するまで無料で借りることが可能です。運営費用については、協賛企業から同社のホームページに広告を出してもらうことで、賄う仕組みです。
「〝経済的に親に迷惑を掛けられない〟〝大学までの交通が不便で、とても困っている〟といった本当に必要な学生たちのもとに自転車を届けて、大事に乗ってもらえることを願っています」
つづく・・・