バラエティーに富む、中国茶の奥深く魅力豊かな世界――。今回は、中国茶の気軽な楽しみ方やお菓子との相性などについて、ティープロフェッショナル協会理事で総合情報サイト・オールアバウト「中国茶」インストラクターの平田公一さんに聞きました。
――中国茶の一番の魅力は何でしょうか。
味と香りの奥深さだと思います。お茶の種類ごとに、幾重にも多彩な楽しみが広がります。
中国は「六大茶」と言って、「緑茶・白茶・青茶・紅茶・黄茶・黒茶」と大きく六つに分類できます。
これらは製茶の過程によって、茶葉に含まれるカテキンの酸化発酵の度合いが異なったものです。
日本は、中国茶と聞くとすぐ、烏龍茶(青茶)やプーアル茶(黒茶)をイメージしがちです。これらは確かに特徴的なお茶ですが、中国で最も飲まれているのは緑茶で、生産高も全体の6、7割を占めています。
中国緑茶のほとんどは、主な日本茶のように蒸して発酵を止めるのではなく、釜でいって熱を入れて発酵を止める〝釜炒り茶〟です。西湖龍井(さいころんじん)や、碧螺春(ピロチユン)と言った、香り豊かな緑茶こそ、多くの人に楽しんでほしいですね。
また、六大茶のほかに、ジャスミン茶や桂花茶など、主に緑茶に花の香りを付けた「花茶」と、湯を注ぐと器の中で水中花のような美しい姿が観賞できる「工芸茶」があります。
マグカップやグラスで簡単に
――簡単な中国茶の入れ方があれば教えてください。
一番簡単なのは、マグカップに茶葉を入れて、そのままお湯を入れて飲みます。私は職場でいつもこの方法で飲んでいます(笑い)。しばらくすると茶葉は沈んでいきますし、浮いていて邪魔な葉はフーっと吹いてどければいい。3分の1ぐらい飲んだら、またお湯を足していきます。中国茶は何煎も出ますから、結構長く飲めます。
ガラスのコップで飲むのも中国では一般的です。グラスの茶葉が開き、沈んでいくのを眺めるのもいいものです。
コップじゃ趣(おもむ)きがなさすぎると思う人は、蓋碗(がいわん)という蓋付きの中国の茶器があります。少し蓋をずらして茶葉が口に入ってこないようにしながら飲みます。これは茶葉の後始末も楽です。
――おいしく入れるポイントはありますか。
日本茶以上に「茶葉を開かせる」ことを意識することでしょうか。〝お茶を入れる〟とは、よじれて押し縮められている茶葉をお湯で開かせて、成分を抽出することにほかなりません。
つまるところ①茶葉の量②湯の温度③抽出時間――この組み合わせが、お茶の風味を左右します。茶葉の多少と蒸らし時間の長短は、味の濃淡に影響します。お湯が高温であれば、味の切れも香りも出ますが、苦みも出やすい。低温では、味がまろやかになりますが、切れはなくなります。それぞれの茶葉の特徴と、量・温度・時間を組み合わせて調節すれば、おいしいお茶が入ります。
――水についてはどうでしょうか。
これは奥深いテーマです(笑い)。一般的に、お茶の水は軟水がいいといわれています。家庭の水道水でもおいしく入れるためには、浄水器を付けるとか一晩くみ置いた水を使うとか、ひと工夫があるといいでしょう。
ちなみに、鉄瓶で沸かしたお湯は、わりと青茶には合います。緑茶には合いません。
つづく・・・