「安心感」がキーワード
子どもを笑顔にするのは、簡単です。さっきも言ったように「うれしい・楽しい・面白い」の、どれかを感じさせたらいいだけだからです。子どもはそれらをほんの少し感じただけでも、笑顔になってくれます。「バスが来た!」程度のうれしさでも笑顔になります。かわいいものです。
大人は「待っていたバスが来た」くらいでは、うれしても笑顔にまではなりません。大人はぜいたくなことに、その程度の喜びでは笑顔にならないのです。かわいくないものです(笑)。
ただ、一つだけやっかいなことがあります。
子どもはそこに安心感がないと、今度はまったく笑ってくれないのです。
例えば〝親の姿が急に見えなくなった〟〝すぐに怒る、怖い人がそばにいる〟〝緊張感漂う葉所(病院など)にいる〟など、安心感が得にくい環境にあるときは、少々うれしいことや面白いことがあっても絶対に笑顔を見せてくれません。
子どもを泣かせてしまったときは、くすぐっても笑わないし、大好きなおもちゃを与えても駄目なことは、皆さん経験されたことがあると思います。そこに少しでも不安や緊張感があると、もう笑ってくれないのです。
10秒のかかわりを大切に
子どもは「安心感」が保障されている中では、身近な人からのちょっとした「かかわり」で、すぐに笑顔になります。
例えば、子どもにままごとのおもちゃを与えると、一人でも、無邪気に遊びだしますが、そこに親が少しでもかかわると、途端に笑顔が出ます。「これ、ください」「はーい、50円です」・・・親がかかわった途端、そこに無限の笑顔が広がるのです。
「ただいまー」。父親が帰ってきても、無言で食卓に着くだけでは、子どもに笑顔は浮かびません。でも玄関先で、「そーれ!」と言いながら、子どもを抱えあげると、途端に笑顔が起こります。
子どもに笑顔を起こすには、時間は必要ありません。ほんの10秒でもいいのです。たった10秒のかかわりでも、子どもは何度も笑ってくれます。そんな10秒が一日の中にたくさんあったならば、10万回笑うなんてあっという間です。10年と言わず、1年でクリアしている家庭もあるはずです。
子どもと遊ぶことだけが「かかわり」ではありません。「話をする」「言葉を掛ける」なども「かかわり」です。子どもが笑顔になる働きかけは、すべて立派な「かかわり」なのです。
子どもは、自分の親からのかかわりが、一番うれしいものです。
時間は短くてもいいのです。たくさんかかわってあげてほしいと思います。
世界一素晴らしいもの。それは子どもの笑顔なのですから。
「子どもに笑顔を」は、今日で最終回となります。少しでも皆さんのお役に立てば、と思いながら書かせていただきましたが、連載中、たくさんのうれしい言葉を頂戴(ちょうだい)しました。その声に私の方がどれだけ励まされ、どれだけ幸せな気持ちになったかしれません。ここであらためて感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
長らくのご愛読、本当にありがとうございました。
おわり