――単に、見守り続ければいいということではないのですね。
 そう思います。学校は一般社会で生きていくために必要な教養を身に付けられる場でもあり、失敗や成功を含めて、人生に必要な体験ができる場です。一般社会に出れば、学校以上に厳しい環境の中で生きなければなりません。子どもにとっては、学校生活を送ることが重要であり、幸せな人生を歩むための近道です。
 社会生活を営む場を、学校だけにこだわる必要はありませんが、まず親が〝絶対に子どもを学校に戻したい!〟との強い意志をもって望むことが大切であると考えています。
 ――具体的なアドバイスをお願いします。
 不登校になった原因によって対応は違います。原因らしきものが判明したならば、家庭だけで悩まずに、それを取り除いてあげることが先決です。一刻も早く学校に協力を求めましょう。不登校は長引くと解決にも時間がかかりますから、即座に動くことが大事です。学校側の対応で、復学までなら意外と早くできる場合もあります。
 ただ、不登校になる原因が、子どもも自分で表現できないケースがあります。この場合も、やはり担任の先生に相談するのが解決への近道です。子どもは、家庭での顔と学校での顔は違うものです。先生に学校での姿を聞くことで、原因のヒントが見つかるかもしれません。
心を鍛えることが根本
 ――家庭でのかかわりで気をつけたい点は?
 外界からの刺激や攻撃に対する抵抗力をつけることが、不登校克服の根本的な解決になります。心を鍛えることです。
 今の子どもは、昔と違って遊び道具もたくさんあり、食事にも困りません。恵まれた環境だからこそ、社会の厳しさを伝える父親の役割も重要です。社会の中で生き抜いている〝父親の思い〟を語ってください。時には、叱ることも必要でしょう。
 子どもに本当の愛情がある親だからこそ、本気で叱ることができます。ただ、愛情が通じていないと、「お父さん(お母さん)は、私が嫌いなんだ」ととらえ、逆効果になる場合もあります。
 親だから何を言っても大丈夫という油断には気を付けましょう。普段から、自分の愛情が伝わっているのか、生活を検証することも必要です。
 ――ほかにありますか。
 親と子の信頼関係も重要です。信頼関係というと、うそをつかないとか、約束を守るなどのことが頭に浮かびますが、もっと大事なことがあります。
 何があっても、「あなたを守る」「あなたの味方である」との姿勢を子どもに見せることです。例えば、子どもが何か不利益を被(こうむ)った時には、加害者に対して烈火(れっか)のごとく怒る姿勢を見せることも大切です。
 子どもは親の真剣な姿を見ています。自分の気持ちを代弁してくれる親の姿を見て、心から親の愛情を実感し、信頼していくものです。
 不登校になると心配は尽きませんが、克服する過程のなかで親子のきずながいっそう強くなり、子どもの成長の糧(かて)になっていくと確信し、解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。

おわり