新鮮野菜の美しさ保つ
 漬物といえば、「塩分が多く、しょっぱい」というイメージがありました。ところが、最近の漬物はとにかく低塩で新鮮、そして見た目にも美しくなりました。
 かつて、家庭に冷蔵庫が普及していなかったころの漬物は、野菜を長く保存するため塩を多く使っていました。しかし、消費者の健康意識の高まりと、好みの変化によって、塩分が極めて少なくなっています。
 20年前と比べると、白菜漬けに含まれる食塩は4%から2%へ半減、たくあんは5%から3%に減っています。小鉢に山盛りの白菜漬けを食べても食塩1グラムにしかなりません。
 食塩のとりすぎは、高血圧など生活習慣病の原因の一つとされています。日本人は1日に食塩を13グラムとっていますが、その内訳は、しょうゆ3.5グラム、みそ2グラム、塩乾魚1.5グラム、漬物1グラムとなります。意外と漬物の塩分は少ないのです。ちなみに、食塩摂取の理想は10グラムといわれています。
 低塩で漬物を製造するためには、野菜の鮮度を落とさないように、温度を低くしなければなりません。冷蔵庫を使った低温製造を積極的に導入した結果、微生物による酸の製造が抑えられ、野菜本来の色や香りが保てるゆうになりました。漬物の外観はこれまでのものとすっかり変わって、明るくきれいになったのです。
 そのため、漬物の利用方法も変化しつつあります。単に食べるだけでなく、料理の彩りや素材として使われるようになってきました。
 高菜漬けをチャーハンの具に使うことは知られていましたが、最近はそれだけでなく、多様な利用法が登場しています。
 アジの干物とキュウリのかす漬け、たくあんとキュウリのゴマあえ、しば漬けとエビのクリームパスタなど、さまざまな和洋食に漬物をアレンジした、新しいメニューが次々に誕生しているのです。
 それぞれの楽しみ方で、漬物の魅力を味わってみてください。

おわり