少子化が進むなかで、「一人っ子」の子育てが注目されていす。一人っ子は両親の愛情がたっぷり注がれる利点がある一方で、協調性がなく、わがままな子に育つのでは、といった心配の声も聞こえます。今回は、一人っ子の家庭で親が心がけたい点について、『「ひとりっ子育て」の知恵』(PHP研究)の著者で、東京未来大学の多湖輝(たごあきら)学長に聞きました。
両親から受けるたっぷりの愛情
――一人っ子は、協調性がなく、わがままな子に育ってしまうのでは、という不安を持つ方もいます。この点についてどうお考えですか。
「一人っ子だから・・・」というのは、私は思い込みだと思っています。気がついている人は意外と少ないかもしれませんが、実は一人っ子は思っている以上に、〝多い〟のです。
なぜなら、弟や妹が生まれるまでの期間、長男・長女は、みんな一人っ子として育つのです。第2子は2年後に生まれるかもしれないし、10年後に生まれるかもしれない、または生まれないかもしれません。それは誰にも分かりませんが、少なくとも、第2子が生まれるまではみんな一人っ子なのです。
そう考えると、「一人っ子だから○○である」と悩む必要はありません。子育ての基本さえきちんと押さえておけばよいのです。
――ただ、一人っ子はさびしいと感じる人も多いようです。
一人っ子の人に聞くと「きょうだいがいないと親がいない時は一人で留守番しなければならないので、さびしかった」という声もあれば、「生まれた時から人っ子なので、その環境が普通。さびしいと思ったことはないです」と、答えはさまざまあります。
「あなたは一人っ子でさびしいね」と周りから言われて、「一人っ子はさびしいもの」という概念をすり込まれているだけなのかもしれません。
私が心配なのは、親自身が「一人っ子にしてしまって、さびしくてかわいそう」といった負い目を感じてしまうことです。その負い目から「親としてできることはなんでもしてあげたい」と考え、子どもを甘やかす理由になってしまうのです。
マイナスにとらえるよりも、「あなたは一人っ子でよかったわ。お父さんとお母さんの愛情をたっぷり一人で受けられて」と子どもに言ってあげることのほうがはるかに大切だと思います。
つづく・・・