情報をうのみにしない〝批判的思考〟
 ――本をめぐる親子のコミュニケーションが、最近低下している指摘されている「読解力」のある子を育てるわけですね。
 本を単に黙読するだけでなく、親子で内容の善しあしや、〝どうして?〟〝どうしたらよいか?〟などを考えて対話することが、探究心や問題解決能力を高めていきます。
 膨大で雑大な情報がはんらんする現代の情報化社会にあっては、与えられた情報をうのみにしない〝批判的に読む〟〝批判的に考える〟姿勢も大切です。
 これは本だけでなく、テレビ、新聞、インターネットなど、あらゆるメディアと接する際に必要ですし、国際社会でコミュニケーションをとり、豊かな人間関係を築いていくうえでは、不可欠な姿勢でしょう。
 その意味から、「読む力」は、より良く「生きる力」とも言えます。
 ――特に日本の子どもは、自分の意見を述べる力が弱いと言われています。
 日本の子どもの「読解力低下」は、2003年のPISA調査(生徒の学習到達度の国際的調査)で顕著になった問題です。与えられた情報に対して自分の意見を言えない傾向が強いことが明らかになりました。現在、少しずつですが、知識の暗記中心主義的ではない、新しい学力観が出てきています。
 例えば公立中高一貫校の適性検査では、しっかり長文を理解し、それらの与えられた情報から根拠を見つけて、自分の意見が記述できる力を積極的に問う出題傾向にあります。
 子どもと一緒に本屋・図書館へ
 ――家庭への具体的なアドバイスがあればお願いします。
 月に1回でも、お子さんと一緒に、本屋や図書館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。児童書のコーナーなどに行き、興味を示した本を買ったり、借りたりしてみてください。また、自身のためにも好きな本を手にしてみましょう。本が立ち並ぶ空間、また読書する大人の姿は、子どもにとって素晴らしい刺激となります。
 これを繰り返しているうちに、やがて自然に、学校の図書館へ行って自ら本を借りて読む子に育っていくでしょう。
 特に、普段は子育てを〝お母さん任せ〟にしがちなお父さん方に、ぜひとも頑張ってもらいたいと思います。

おわり