医学の進歩に伴い、ガンになっても早期発見、早期治療すれば、治る確率がより高くなってきました。それでも3人に1人がガンで亡くなる時代、ガンは依然怖い病気であり、誰もが最もかかりたくない病気の一つとさえ言われています。これに対し、「ガンは強いストレスが引き金になって起きる病気」と言うのは、免疫学の権威で新潟大学大学院教授の安保徹さん(60)。「生き方を変えて免疫力を高めれば、自分で治すのも可能」と強調しています。一方、「自然治癒力を高め、病気にならない体づくり」を訴える山田養蜂場代表の山田英生(50)。今、薬の飲みすぎや過剰医療に頼らない、免疫力で治す医療のあり方が求められています。

免疫力多ければガンガン細胞を撃退

山田 現在、ガンが死亡原因の約30%を占め、心筋梗塞、脳卒中を抜いて3大死因のトップになりました。なぜガンはこんなに増えているのでしょうか。

安保 やはり国が豊かになり、日本人の衣食住が満たされたのに加え、重労働からも解放されて、長生きできるようになったことが背景にあるのでしょう。ガンになる確率は年齢とともに高くなりますが、日本人が長生きするようになって、50代以上のガン年齢に達する人が増えてきたことが大きな要因ですね。

山田 一般にガンはまだ怖い病気で、治りにくいと見られています。先生の免疫学の立場からは、ガンとはどんな病気で、なぜ発症するのでしょうか。

安保 ガンは無理を重ねたり、悩んだり、極限まで体に負担をかけすぎて起こる病気といえます。その証拠に多くの人が働き盛りでガンで倒れているでしょう。皆さん、まじめで責任感が強く、頑張り屋さんばかり。女性では心の悩みや苦しみで抑圧された人が多い。例えば、仕事を持っている女性は、勤務が終わって帰宅すれば家事が待ち受けていますよね。しかも、親が病気で倒れれば、自分の親だけでなく、夫の親も介護しなければなりません。日常生活の中に重労働の危険が常に待ち構えているんです。このように、ガンは強いストレスが引き金になって起きる病気なんです。実際、ガンの患者さんに聞いても、「これまでずっと働きづめの生活を続けてきた」「姑の介護などで大変つらい目にあった」などと答えています。

山田 ガンは、タバコや食品添加物、排気ガスなどの外的な要因の影響よりも心の悩みなど内的な要因の影響の方が大きいわけですね。

安保 そう思いますね。私たちの体内では、毎日たくさんのガン細胞が生まれていますが、免疫力が十分あれば、白血球の中のリンパ球がガン細胞を攻撃し、その芽をこまめに摘み取ってくれるからガンにはなりません。ところが、働きすぎや心の悩みを抱えたり、薬を長時間服用したりすると、交感神経が緊張し、顆粒(かりゅう)球が増え、その分リンパ球が減って免疫力が低下し、発ガンするわけです。しかし、自律神経のバランスを整えて、免疫力を高めていけば、ガンはけっして不治の病ではなく、自分の力で治せる病気です。今、ガンを克服してきた元患者さんたちでつくる「患者の会」が全国に広がっていますが、この中には進行ガンや再発ガンを自ら治した人、中には末期ガンからよみがえった人も参加しています。こうした人たちが自分たちの闘病経験をもとに、ガンと闘っている人たちを励まし、支えているんですね。その一方で、新たに開発された新タイプの抗ガン剤に依存し、薬の力で治癒を目指す流れもあります。

つづく・・・