この様なニュース記事を拝見しました。
私としては残念なことでです。
漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、「描写が過激だ」として松江市教委が昨年12月、市内の全小中学校に、
教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたことが分かった。児童生徒への貸し出し禁止も要請していた。
出版している汐文社(ちょうぶんしゃ)(東京都)によると、学校現場におけるこうした措置は聞いたことがないという。
(2013年8月16日毎日新聞記)
教師の許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたことが分かった。児童生徒への貸し出し禁止も要請していた。
出版している汐文社(ちょうぶんしゃ)(東京都)によると、学校現場におけるこうした措置は聞いたことがないという。
(2013年8月16日毎日新聞記)
私は、小学生の頃図書館でこの本を読みました。
衝撃を受けたのは今でも覚えています。
しかし、その衝撃は今となっては、絶対に戦争を起こしてはならないと言う思いに繋がっているものです。
日本が起こした悲惨な現実を描写した作品
このマンガに描かれた以上に悲惨だったものでしょう。
伏せることなく事実に向き合い、その作品を読んで、的確に助言できる父親母親の質を問われる時代に来たのでしょうか?
戦争を知らない私たちの年代ですので、過去の文献やマンガを通して悲惨な過ちを子供たちに伝えていく必要もあるのじゃないかと私は思いました。
8月15日には、戦争により亡くなられた多くの人々に手を合わせる気持ちは、薄れさせてはいけないと思います。
只単に過激と捉えず、目を伏せることなく事実と向き合わせる教育も必要なのではないでしょうか?
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先日のニュースで。
松江市教委「はだしのゲン」閲覧制限を撤回
日本テレビ系(NNN) 8月26日(月)21時33分配信
漫画「はだしのゲン」の閲覧制限問題で26日、島根・松江市教育委員会で対応が協議された。様々な意見を整理して再度行われた26日の会議も、約1時間半にわたって議論が続いた。
市教委・内藤富夫委員長「手続きに不備があることから、漫画図書『はだしのゲン』の取り扱いは、平成24年12月17日前の状態に復することが妥当である。復した後の取り扱いについては、学校の自主性を尊重する」
市教委の出した結論は、閲覧制限のない、以前の状態に戻すというものだった。その理由としては「手続きに不備があった」としている。
一方で、最終的な扱いは各学校長の判断に委ねるとしている。
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閲覧規制は撤回されました。
当然のことと思います。
更に本日のニュースでは、作者の奥さんがコメントをだしました。
<ゲン閲覧制限撤回>中沢さん妻「素直にうれしい」
毎日新聞 8月26日(月)20時37分配信
「ゲン」が週刊少年ジャンプで連載が始まってから、今年で40年。単行本などは累計1000万部以上発行され、英語やロシア語など約20カ国語に翻訳されるなど海外でも読者は広がっている。ミサヨさんは松江市教委の閉架措置に「この40年、国内外で何一つそういう話はなかったので、何でという思いでした」と振り返る。
中沢さんは生前、「戦争はきれいなものではない」と常々話していたという。「一部だけ切りとらずに、漫画が何を言おうとしているのかしっかりと受け止めてほしい。いかに平和が大切か、ゲンを読んでかみしめてもらえればうれしい」と語った。【高橋咲子】
中沢さんは生前、「戦争はきれいなものではない」と常々話していたという。「一部だけ切りとらずに、漫画が何を言おうとしているのかしっかりと受け止めてほしい。いかに平和が大切か、ゲンを読んでかみしめてもらえればうれしい」と語った。【高橋咲子】
この様にコメントしています。
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9月20日更新
撤回が19日に明らかになりました。
「はだしのゲン」松江市教委はなぜ閲覧制限を求め、なぜ撤回したのか
産経新聞 9月19日(木)13時0分配信
広島への原爆投下を取り上げ、広く知られている漫画「はだしのゲン」について、松江市の小中学校で起こった閲覧制限問題が明らかになってから1カ月。先月下旬の同市教育委員会議で「要請前に戻す」、つまり撤回することで決着がついたが、市教委事務局が教育委員に諮らずに要請した経緯に疑問が投げかけられるなど、“手続き”論が問題とされ、根本的な議論には踏み込まれなかった。どこが問題となったのか、経緯やその後の状況を検証した。
◆きっかけは市民の陳情
きっかけは昨年8月にさかのぼる。市内在住の自営業の男性(35)=現高知市在住=が「天皇陛下に対する侮辱、国歌に対しての間違った解釈、ありもしない日本の蛮行が掲載されている。松江市の子供たちに間違った歴史認識を植え付ける」として、学校図書館からの撤去を求める陳情を松江市議会に提出した。
同年9月の市議会教育民生委員会で、市教委は当初、撤去に否定的な見解を示す。しかし議員から「全体的な流れを読んだ上で判断したい」といった意見が出て継続審査に。
実は、このときまで市教委の担当者は「はだしのゲン」を通読していなかったという。担当職員らが全巻を読むなかで、別の観点で「一定の教育的配慮が必要」という意見が出た。汐文(ちょうぶん)社(東京都文京区)版なら10巻に出てくる、旧日本軍が妊婦の腹を切り裂いて中の赤ちゃんを引っ張り出す場面などが過激ではないか-というのだ。
当時教育長だった福島律子・市総合文化センター館長も「最初は『はだしのゲン』が10巻あることも分かっていなかった」。福島氏も通読は初めてだった。
11月の市議会教育民生委員会では、議員の一人から「大変過激な文章や絵がこの漫画を占めている。『はだしのゲン』そのものが、不良図書と捉えられる」と指摘もあがる。ただし、市議会としては「図書室に置くことの是非を議会が判断すべきではない」として、12月に不採択とした。
一方で市教委は、「市教委の判断で適切な処置をすべきだ」との注文が付いたことを“忖度(そんたく)”し、幹部5人で協議を続けた。
◆意見拮抗の末「折衷案」
福島氏ら当時の市教委幹部は、10巻の描写について「作者が戦争の悲惨さを伝えるために描いたのは分かっているが、発達段階の子供たちに見せるのはどうか」と考えたという。
協議では「子供たちの心理的な影響が危惧される」「学校図書館と一般図書館は違う」などの意見が出された。「一部を制限しては」との意見もあったが「墨塗りみたいになる」として消えた。平和教育の参考書として作品を評価する意見と、不良図書とする意見が拮抗(きっこう)したあげく、「折衷案」として閲覧制限を求めることにしたという。
校長会で閲覧制限を求めたのは、議会が陳情を不採択としてから12日後の12月17日。福島氏は「議会から問題を預けられた気持ちがあり、年内に結論を出すべきだと思っていた」と述べ「もっと検討すべきだった。いろいろな意見がある本なのに、教育委員会に報告していなかった点などが悔やまれる」と話した。
◆「手続きの不備」問題視
閲覧制限が明らかになったのは今年8月中旬。地元紙が問題を報じ、市教委に取材や問い合わせが殺到した。同月26日に臨時教育委員会議が開かれ、教育委員の判断を仰がず、市教委事務局だけで判断したことを問題視。「手続きの不備がある」として、閲覧制限要請の撤回が決まった。問題が表面化して、わずか10日あまりの決着だった。
一方で暴力描写や歴史認識など、はだしのゲンそのものについての突っ込んだ議論は避けられた。
教育委員たちからは、暴力描写や歴史認識については「過激な描写はあるが物語全体に影響することではない」「歴史認識は制限の理由ではなく、改めて問題にする必要はない」という意見も出たといい、結局、判断は各学校に委ねられることになった。
◆きっかけは市民の陳情
きっかけは昨年8月にさかのぼる。市内在住の自営業の男性(35)=現高知市在住=が「天皇陛下に対する侮辱、国歌に対しての間違った解釈、ありもしない日本の蛮行が掲載されている。松江市の子供たちに間違った歴史認識を植え付ける」として、学校図書館からの撤去を求める陳情を松江市議会に提出した。
同年9月の市議会教育民生委員会で、市教委は当初、撤去に否定的な見解を示す。しかし議員から「全体的な流れを読んだ上で判断したい」といった意見が出て継続審査に。
実は、このときまで市教委の担当者は「はだしのゲン」を通読していなかったという。担当職員らが全巻を読むなかで、別の観点で「一定の教育的配慮が必要」という意見が出た。汐文(ちょうぶん)社(東京都文京区)版なら10巻に出てくる、旧日本軍が妊婦の腹を切り裂いて中の赤ちゃんを引っ張り出す場面などが過激ではないか-というのだ。
当時教育長だった福島律子・市総合文化センター館長も「最初は『はだしのゲン』が10巻あることも分かっていなかった」。福島氏も通読は初めてだった。
11月の市議会教育民生委員会では、議員の一人から「大変過激な文章や絵がこの漫画を占めている。『はだしのゲン』そのものが、不良図書と捉えられる」と指摘もあがる。ただし、市議会としては「図書室に置くことの是非を議会が判断すべきではない」として、12月に不採択とした。
一方で市教委は、「市教委の判断で適切な処置をすべきだ」との注文が付いたことを“忖度(そんたく)”し、幹部5人で協議を続けた。
◆意見拮抗の末「折衷案」
福島氏ら当時の市教委幹部は、10巻の描写について「作者が戦争の悲惨さを伝えるために描いたのは分かっているが、発達段階の子供たちに見せるのはどうか」と考えたという。
協議では「子供たちの心理的な影響が危惧される」「学校図書館と一般図書館は違う」などの意見が出された。「一部を制限しては」との意見もあったが「墨塗りみたいになる」として消えた。平和教育の参考書として作品を評価する意見と、不良図書とする意見が拮抗(きっこう)したあげく、「折衷案」として閲覧制限を求めることにしたという。
校長会で閲覧制限を求めたのは、議会が陳情を不採択としてから12日後の12月17日。福島氏は「議会から問題を預けられた気持ちがあり、年内に結論を出すべきだと思っていた」と述べ「もっと検討すべきだった。いろいろな意見がある本なのに、教育委員会に報告していなかった点などが悔やまれる」と話した。
◆「手続きの不備」問題視
閲覧制限が明らかになったのは今年8月中旬。地元紙が問題を報じ、市教委に取材や問い合わせが殺到した。同月26日に臨時教育委員会議が開かれ、教育委員の判断を仰がず、市教委事務局だけで判断したことを問題視。「手続きの不備がある」として、閲覧制限要請の撤回が決まった。問題が表面化して、わずか10日あまりの決着だった。
一方で暴力描写や歴史認識など、はだしのゲンそのものについての突っ込んだ議論は避けられた。
教育委員たちからは、暴力描写や歴史認識については「過激な描写はあるが物語全体に影響することではない」「歴史認識は制限の理由ではなく、改めて問題にする必要はない」という意見も出たといい、結局、判断は各学校に委ねられることになった。
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日本が遭遇した事実を描いた漫画なのです。
隠さず読ませて的確な助言・指導をできる人材を育成することが必要だと思うのは
私だけでしょうか?