普通に授業を受けているときの50分はやたら長いのに、考え事をしているときの50分はなんて短いんだろう…とうとう何も思いつかないまま授業が終わってしまった。でもこのまま何もしなかったら大神ちゃんは私に嫌われたと思ってしまうだろう、それだけは避けなくては。そうだ、先ずは誤解を解こう。
そう思い、立ち上がろうとした私の少し後ろから大神ちゃんの声が聞こえてきた。
『やっぱり山内君だ!久しぶり~♪』
『あぁ…大神だっけ?久しぶり』
『もうすぐ大会なんでしょ?調子はどう?』
『…勝つさ』
な、な、なんだこの会話!まるで幼馴染みたいな会話じゃないか!っていうか大神ちゃん…い、いや!そんなハズないよね?私がまだ大神ちゃんのことよく知らないってだけで…
『じゃあ腕試しにぼくと勝負しようよ!あの約束、まだ覚えてるでしょ?』
『まぁな。良いぜ、どうせ俺が勝つ』
『むぅぅ~、今度こそお願い聞いて貰うんだから!』
お、お願い…?ライバル出現は私の方だったの…?私は一体どうしたら良いの!?話こじれ過ぎでしょもう…頭痛い。って言うか、もし大神ちゃんが勝ったら私完全に取り残されるんだけど…。
けれど、テニスを知らない私にもその差は歴然だった。優希のストレート勝ちどころではなく、大神ちゃんはただの1ポイントも取れずに終わった。私と同じくその試合を見ていた誰かが呟いた。
『ラブゲームだ…』
テニスでは0点のことをラブと言うのは知ってる。知ってはいるけれど、でも私はラブゲームという言葉に嫌でも反応してしまう。
私はその後の2人のやりとりを見ることも出来ず、急ぎ足で帰った。泣き顔は誰にも見せない主義だから…。
私の王子様が3次元でも会いに来てくれたのに素直に喜べないなぁもう…。でも、やっぱり大神ちゃんとは仲良くなりたいなぁ、攻略のヒントになるかも知れないしね!
何度もゲームの中で失敗している私でも、最初に選ぶべき選択肢は分かっている。軽く容姿を褒めつつちゃんと挨拶をする、だ。つまり「始めまして大神さん。可愛いね♪私は椿。よろしくね(はぁと」こんな感じで話かけるのがベストだ。
声が変に強張らないようにゆっくりと深呼吸をしよう。すーはーすーはー……。よし!
『ねーねー大神ちゃんってラブリークエストって知ってる?』
なっ…先を越された…しかもその話しかけ方は間違いだ!
『もちろん知ってるよ!だってぼくのお父さんの会社で作ったゲームだもん♪』
『そうなんだ~だからあのキャラに凄く似てるんだ~』
あ、あれ?おかしいな、なんか雰囲気良さそうになってる。って言うか私、他人の話聞いてるだけじゃダメだ!ちゃんと話かけなきゃ!もっかい深呼吸して、ええっと…
『まぁね~。でもぼく攻略するのすっごく難しくしてるんだけど、もうぼく攻略できたよって人いるの?』
『わ、私はもう攻略できたよ!』
私はなんてことを言ってしまったのだろう…大神君は嘘が嫌いな子だって分かってたのに、何か話さなければと焦ってしまった。
クラスの人に驚いたような顔をされてしまった。ゲームばかりやっている気持ち悪い人って思われてしまったかな、と不安になり優希の方をちらりと見るが興味ナシといった感じで男友達と話していた。良かった…。
『ホントに!?凄いねっ!!どう?ぼく、けっこう強いでしょ?』
分かり易く尻尾を振ってくれた、よし、勝った。と思ったのもつかの間、私だって大神君を戦わせたことはないのに、なんて答えるべきだろう…つい口篭ってしまう。
『…?ぼ、ぼく、なにか変なことしちゃったかな…』
あぁ、違うの、待って大神ちゃん…。
キーンコーンカーンコーン。授業開始のベルが鳴り響いた。生徒達は一斉に話をやめ自席に着く。助かった、のかな。とにかく高感度上がる方法を50分以内に考えなきゃ…。
何度もゲームの中で失敗している私でも、最初に選ぶべき選択肢は分かっている。軽く容姿を褒めつつちゃんと挨拶をする、だ。つまり「始めまして大神さん。可愛いね♪私は椿。よろしくね(はぁと」こんな感じで話かけるのがベストだ。
声が変に強張らないようにゆっくりと深呼吸をしよう。すーはーすーはー……。よし!
『ねーねー大神ちゃんってラブリークエストって知ってる?』
なっ…先を越された…しかもその話しかけ方は間違いだ!
『もちろん知ってるよ!だってぼくのお父さんの会社で作ったゲームだもん♪』
『そうなんだ~だからあのキャラに凄く似てるんだ~』
あ、あれ?おかしいな、なんか雰囲気良さそうになってる。って言うか私、他人の話聞いてるだけじゃダメだ!ちゃんと話かけなきゃ!もっかい深呼吸して、ええっと…
『まぁね~。でもぼく攻略するのすっごく難しくしてるんだけど、もうぼく攻略できたよって人いるの?』
『わ、私はもう攻略できたよ!』
私はなんてことを言ってしまったのだろう…大神君は嘘が嫌いな子だって分かってたのに、何か話さなければと焦ってしまった。
クラスの人に驚いたような顔をされてしまった。ゲームばかりやっている気持ち悪い人って思われてしまったかな、と不安になり優希の方をちらりと見るが興味ナシといった感じで男友達と話していた。良かった…。
『ホントに!?凄いねっ!!どう?ぼく、けっこう強いでしょ?』
分かり易く尻尾を振ってくれた、よし、勝った。と思ったのもつかの間、私だって大神君を戦わせたことはないのに、なんて答えるべきだろう…つい口篭ってしまう。
『…?ぼ、ぼく、なにか変なことしちゃったかな…』
あぁ、違うの、待って大神ちゃん…。
キーンコーンカーンコーン。授業開始のベルが鳴り響いた。生徒達は一斉に話をやめ自席に着く。助かった、のかな。とにかく高感度上がる方法を50分以内に考えなきゃ…。
翌朝、私が登校すると、クラス中が騒然としていた。誰かの話に聞き耳を立ててみると、
『ねぇ聞いた?転校生が来るんだって!それもイケメンらしいよ』
なるほど。そう来たか。突如現れたイケメン転校生と優希が私を取り合ってテニスの試合をしたりなんかする在り来たりな話か。うん、悪くない。いやむしろ燃えるね。
『はーい!みんな静かに!今から転入生を紹介する!』
いったいどれほどのイケメンなんだろうと期待に胸を弾ませながら…弾むほど胸はないが…噂の彼が入ってくるのを待つ。
ガラガラ。即座に私は目を向ける。と、それはまさしくラブリークエストの大神君が3次元に来たかのような容姿だった。
『えっと、ぼく、大神 瑠璃(おおがみ るり)って言います。ぼくのこと、よろしくねっ!!』
大神君、こんな声なのか…女の子みたいで可愛いなぁ、ふふふ。
『あっ!ぼく、こんな見た目だからよく間違えられるけど、これでも一応女だよ♪』
なるほど?だからこんなに…ん?お、おおがみ……ちゃん…?
瑠璃という女の子みたいな名前。可愛らしい声。不可解な胸の膨らみ。そして制服のスカート。
……どうやら、私の恋は在り来たりな話にはならないようだ。
To be continued
『ねぇ聞いた?転校生が来るんだって!それもイケメンらしいよ』
なるほど。そう来たか。突如現れたイケメン転校生と優希が私を取り合ってテニスの試合をしたりなんかする在り来たりな話か。うん、悪くない。いやむしろ燃えるね。
『はーい!みんな静かに!今から転入生を紹介する!』
いったいどれほどのイケメンなんだろうと期待に胸を弾ませながら…弾むほど胸はないが…噂の彼が入ってくるのを待つ。
ガラガラ。即座に私は目を向ける。と、それはまさしくラブリークエストの大神君が3次元に来たかのような容姿だった。
『えっと、ぼく、大神 瑠璃(おおがみ るり)って言います。ぼくのこと、よろしくねっ!!』
大神君、こんな声なのか…女の子みたいで可愛いなぁ、ふふふ。
『あっ!ぼく、こんな見た目だからよく間違えられるけど、これでも一応女だよ♪』
なるほど?だからこんなに…ん?お、おおがみ……ちゃん…?
瑠璃という女の子みたいな名前。可愛らしい声。不可解な胸の膨らみ。そして制服のスカート。
……どうやら、私の恋は在り来たりな話にはならないようだ。
To be continued
