#LinaЯiaちゃんの小説置き場 -2ページ目

#LinaЯiaちゃんの小説置き場

ゆっくり書いて行きますのん

『はぁ・・・疲れた・・・』
帰宅するなり自室のベットにカバンを投げ、制服のままで机に向かう。もちろん、これから勉強するのではない。私がハマっているゲーム、ラブリークエストをプレイするためにパソコンを立ち上げたのだ。このゲームは自分が姫となって世界中の王子と仲間になり魔王を倒すゲームなのだが、恋愛シミュレーション要素を含んでいて、フラグを回収してイベントをクリアしないと仲間にならないシステムだ。本格的なRPGで逆ハーレムも楽しめるとあって、ある人たちの間ではかなりの人気ゲームらしい。
そして私が今狙っているのは、やりこみを重ねなければ出現すらしない隠れキャラ、大神(おおがみ)君だ。名前に反してワンコみたいな性格でとても人懐っこい。正直、最高にタイプだ。かわいい。愛でたい。抱きしめたい。
だが彼は隠しキャラだけあって攻略も難しい。リセットはもう6回目だ。
「あっ・・・待って、私の大神君・・・」
今日も失敗だ。ぐぬぬ・・・。セーブせずに電源を切ってやる。
ふと窓に目をやると、向こう側の明かりが点いていた。優希ももう帰ってきてる時間か。
タイミング良く母さんからのコールを受け階段を下ると良い匂いがした。夕飯はカレーか。

「お母さん、おかわり!」
元気良く告げる。あれだけ苦痛な授業を受ければお腹も空く。お腹に溜まってきた肉なんてない。少なくとも私には見えない。見えないったら見えない。

今夜も、夕飯の時間は何事もなく終わった。山内家の両親が長期の出張で優希と一つ屋根の下での生活が始まる。なんて話は在り来たりすぎるのかな?いや、まだその時ではないだけか。きっとそんな感じなんだろうな。そんなことを考えながら私は眠りについた。

「鴻!おい、鴻!」
麗らかな春の午後、お腹もいっぱいになって幸せな夢の中へ行こうとしていた私、鴻 椿(おおとり つばき)を現実へと連れ戻したのは担任の杉原だ。
「まったく、分かってるのか?お前も受験生なんだ。こんなことじゃ良い大学には入れんぞ!」
うるさいな、まだセンターまで半年以上あるじゃないか、とは言えず
「・・・すいません。」
と小声で呟く。私は今日もマスクだし、あの声量じゃ聞こえてなかったかもしれないな。まぁ、その方が好都合か。
「・・・っておい!山内まで寝てるじゃないか!起きろ!」
「んあ・・・すみません」
起こされたのは私とは一応幼馴染にあたる山内 優希(やまうち ゆうき)。
「テニスの大会が近いからって勉強を疎かにするな!」
そう、優希はテニス部のキャプテンで、高校最後の試合を控えたこの時期は勉強などにかまけている場合ではない、らしい。
「良いかお前たち!この時期から努力しなければ―――」
また、杉原の小うるさい説教が始まった。
こんな在り来たりな設定、在り来たりな私の、在り来たりなお話。




『 恋 愛 ゲ ー ム 』