45『疾風ロンド』 | るー’s Memorandum of life

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『疾風ロンド』 東野圭吾 2013年 実業之日本社

 極秘に開発していた生物兵器が盗まれた。犯人は雪山に埋めたという。3億円と引き換えに場所を教えるというが、犯人はメールを送って数日後に事故死してしまった。なんとか回収しようと研究員の栗林は息子を連れ、とあるスキー場に向かうのだった。

 自身の面目のためにも上司の命令を遂行しようとする栗林、一世一代金儲けのチャンスと奮闘する折口、子を亡くした母の姿に耐え切れずK-55を使おうとしたユウキ…。物語は雪山を滑走するスノーボーダーやスキーヤーのようにスピード感をもって展開していく。またロンドとは音楽形式の1つで、異なる旋律を挟みながら、同じ旋律を何度も繰り返す形式ことらしい。ゲレンデを何本もの線が交錯するように、様々な人々が交わりながら展開する本書、疾風ロンドとはぴったりなタイトルだと思いながら一気に読み終えた一冊。