43『パラドックス13』 | るー’s Memorandum of life

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『パラドックス13 』
東野圭吾 講談社 2014年

 全ての空間、時間が13秒遅れるP-13現象が起こることがJAXAから政府へ極秘裏に伝えられた。何が起きるのか予見出来ない事から、あらゆる手を尽くして、しかし世界をパニックに陥れずに3/13 13:13 13秒からの13秒間を乗り越えなければならない。
 突然東京からは人が消え、残されたのは年齢も境遇も異なる男女13人だった。大雨と地震に襲われながら今後どうすべきかを模索する。
 灰色の街を歩き首相官邸へついた彼らはP-13現象についての文書を見つけ、自分たちの共通点があの13秒間に命を落としていたことだと知る。そして36日後にもう一度時空が飛躍しパラドックスが解消される可能性を見出した。
 その時までに命を落とした者は死に、生き延びた者は現実世界に戻ることができた。P-13現象での出来事は忘れているかこれからも生きていくのだ。



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一気に読み進められた一冊。その13秒に亡くなったひとたちなんだろうなぁとは予想できた。結末はまたP-13が起きるのね!それで戻るのねということで納得。滅びる街、人が亡くなる描写があるがサスペンス的ではなく読み終わったあとは人情味を感じられる。登場人物を苗字から名前で呼ぶようになっているし。たしか東野圭吾の手紙も、そう思った、と思う。皮肉なのは冬樹が誠哉のことを現実的にもP-13世界でも救えない事だ、と思いながら読み終えた。