その夜は、いつもより渋滞していて店に着いたのが遅かった

 

店内を見渡すとりつ子が女性と話し込んでいた

 

その女性はいつも京子さんと一緒にいる女性で、りつ子の知り合いではない

 

何をたくらんでいるのだろう?!

 

嫌な予感がした

 

真剣な面持ちで二人で話しているので

 

間に割って入って行かれなかった

 

1時間ぐらい話していただろうか?!

 

りつ子が戻って来た

 

なんとなく嬉しそうだ

 

「どうしたの?あの人って知り合い?いつも京子さんといる人だよね?」

 

りつ子はニヤリと不気味な笑いを浮かべると

 

「そうだよ!京子さんの仲良しさん(笑)

仲良しだから・・・ハンプティとわたしが男女の関係で何をされたか教えて来たの」

 

「え?あの人に?なんで京子さんじゃなくてあの人なの?」

 

「だって京子さんは知らないし・・話したくないもん。

あの人に話せば京子さんの耳に間違いなく届くじゃない?!

もし、京子さんとハンプティがいい感じで男女の仲になりそうだったら

私の話を聞いたらやめるでしょ?!被害者を増やさないためよ」

 

りつ子が人助けのためだけにそんな事をしたとは

 

到底思えない

 

京子さんとハンプティの仲を裂きたかった・・

 

ただ、それだけの事だと思う

 

そこまでするのかと恐ろしくなって来た

 

どんな手段を使っても仕返しをするのだ

 

後々どうなるか?とか

 

友達に迷惑がかかるとか

 

まったく考えていない

 

怖いものもなく捨て身だ

 

この頃からりつ子と話はするものの

 

以前のようにどこへ行くにも二人で・・は、やめた

 

電話も3回に1回は断るようにしていた