クリスマス少し前

 

わたしは、未亡人になった

 

最愛の主人は、私の横で静かに・・本当に静かに

 

息を引き取った

 

たった一人で看病していたわたしは

 

主人の名前を何度も呼んだが

 

それっきり目を覚ますことは、なかった

 

コロナ禍で、職を失った息子は、

 

ウーバーイーツで、走り回っていた

 

震える手で息子にラインした

 

‘パパ危篤!‘

 

そうラインしたが、数分後に

 

‘亡くなっちゃった‘と送るしかなかった

 

自宅で看取ったので、

 

訪問看護ステーションに震えながら電話した

 

悲しいと言うより放心状態だった

 

自分の全ての記憶が失われるのでは、ないか?と思うぐらい

 

頭の中は、真っ白だった

 

息子が帰宅するまで、

 

わたしは主人の胸元で顔をうずめて目を閉じていた

 

まだ、温かかった

 

今にも

 

「もーっ!ママちゃんどしたの?」そう言ってくれそうだった