女子フリーを見て。 | 澤山璃奈オフィシャルブログ「Mermaid on ice」Powered by Ameba

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プロフィギュアスケーター・タレント
現在アメリカのNYに移住、2023年第一子を出座。
NY生活、アメリカでの育児のことなどを更新中。



昨日は女子フリーをお送りし、

ついにNOTTV「ソチオリンピック2014」の生放送も残り一日!






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フリーはリアルタイムでは収録中でかなちゃんと真央ちゃんとキムヨナさんしか見れなかったので、
昨日放送で全員を見るのを楽しみにしていました!

採点に疑問や不満があるとみんなが言っていたのでプロトコル(採点の詳細)を出してもらって、にらめっこしながら演技を見てみましたが、、、。






まずは、採点どーこーと言うより、
メダリストのソトニコワ選手、キムヨナ選手、コストナー選手、

そして浅田真央選手。
素晴らしい出来でした。





シングルのフリーはジャンプも多く、しかもトップクラスでは今の厳しいプログラム構成をしなければいけない四分間はものすごく体力を使うので、ノーミスで演じきるのはとても物凄い事なんです。
特にこのオリンピックという場面ならなおさらです!






だから、

唯一トリプルアクセルを跳び、8個のトリプルを入れるという最高難度のジャンプ構成をした浅田選手がノーミスということは、
信じられない奇跡のような事です!



まさに伝説になり歴史的記録です!!


でも、だからと言って、もちろん!!
メダリスト3人が難しい事をしないで簡単に楽にまとめたからノーミスだったというわけでは無いんです!





ソトニコワ選手は直前のロシア選手権で優勝した実力があるにも関わらず団体戦に起用されなかった悔しさを、テレビでも感情が伝わる演技と高いジャンプでほぼノーミスで滑りきりロシア初の女子シングル金という形で晴らし、

キムヨナ選手は多くのシングル選手が金メダルを取ったら引退するなか出場し金メダル2連覇の母国のプレッシャーをはねのけノーミスで滑りきり価値ある銀メダル、

コストナー選手はガラスのハートと言われながらも若手がどんどん出て来ながらも諦めず、攻めたノーミスのジャンプと心に響くスケーティングで三度目のオリンピックで自己ベストを出し、ついに念願のイタリア初メダルで銅。



本当に素晴らしかったです!!!









そして、問題の採点と照らし合わせて見てみると、、、。


ショート2位フリー1位総合1位の
ソトニコワ選手は
一つだけ小さいジャンプのミスがありましたが、他の一つ一つのジャンプの出来がスピードもあり高さもあり素晴らしく、
身体を大きく使った表現力やキレのあるスケーティングが、
平均的に高い出来栄え点とプログラム構成点に繋がっていました。


また技の構成の基礎点が浅田選手の次に高い点61.43だった事、
ミスしたジャンプはマイナスでしたが、
他の技の出来栄え点がほとんどプラス2と3で並んでいたので総合的に一番高い点数になりました。








ショート1位フリー2位総合2位の
キムヨナ選手は
全てのジャンプを美しく跳び、高い出来栄え点が出て、
滑らかで余計な力の入らないスケーティングや音楽の表現力などが素晴らしく、ソトニコワ選手よりも若干高いプログラム構成点に繋がりました。

プログラム構成点で10点満点をつけたジャッジが出たのは、このフリーではキムヨナ選手とコストナー選手のみです。

しかしステップと一つのスピンがレベル3だったこと、そもそも最初に技の構成を組んだ基礎点がソトニコワ選手より4点低かった事が総合的にソトニコワ選手より低くなってしまいました。
しかし、全ての出来栄え点で0もマイナスもついていなく、プラスの点だけ出ていたのは唯一キムヨナ選手だけです。そしてこれはバンクーバーの時も同じだったそうです。






ショート3位フリー4位総合3位の
コストナー選手は
ベテランならではの美しくスピードのある質の高いスケーティングでボレロという単調で難しい曲を演じきり
10点満点が出るプログラム構成点。
大きい身体を使った迫力のある流れのあるジャンプを全て決め自己ベストでしたが、
プログラム構成点、出来栄え点ともにジャッジによってバラツキがあり、総合的にどちらもソトニコワ選手とキムヨナ選手よりも低くなってしまいました。




そして
ショート16位フリー3位総合6位の
浅田真央選手は、
海外の解説者がクレイジーな構成!と言ったほどの最高難度の構成で女子史上初の8トリプルを決め、現在は女子シングルで彼女しか出来ないハイリスクなトリプルアクセルもクリーンに決めましたが、
2つのコンビネーションジャンプで若干の回転不足判定で七割の得点になってしまった事、他の技でも出来栄え点が低かった事、
そして浅田真央選手の特徴でもある上品で美しい繊細なスケーティングが点数に反映されなかった事で総合の点数が低くなってしまいました。





と、、、

分析するとこういう事になりますが、、、。




私も個人的には浅田選手のプログラム構成点はもう少し評価されても良いのではないか、ジャンプの出来栄え点も少し低いんではないかと思いますし、
コストナー選手の点ももう少し出ても良いのではと思うところもあります。
(鈴木選手のプログラム構成点ももう少し伸びても良かったのではと)


ただ、


1.2.3位の3選手は正直、
誰が優勝してもおかしくないくらい素晴らしかったことに間違いは無い。



そして浅田真央選手が最高難度の女子史上初の偉業を成し遂げて、歴史的記録をつくり、
スケーターを含め世界中の人達を感動させ勇気を与えたスペシャルな存在と言う事に変わりはないのです。



今回の採点基準、ジャッジの判断では得点、順位はこういう結果になったと言う事です。

不満や疑問は常につきまとうのがこのフィギュアスケートという採点競技です。




でも、
全ての人達が納得する採点は不可能なのかもしれないけど、それを望む気持ちは忘れてはいけないと思います。






スケーターとして、
スケートが話題になることはとても嬉しい事だしありがたいです。
でも、メディアに流されないで、一部しか抜粋されてない情報に流されないで欲しいです。

間違った愛情でライバルや他国の選手を否定することはやめてほしい。


一人のつぶやきや愚痴かもしれないけど言葉は影響力を持ってます。


その選手の知られざる苦労や努力を知ってるわけじゃないのに軽々しく悪口を言うのだけはやめてほしいです。







メディアに対して、
色々な国に対して、
採点に対して、
不満はあると思います。




でも全ての選手が想像出来ない努力や戦いをしてきて、
簡単にトップになった人なんて居なくて、
曲が始まった瞬間にはどの選手もたった1人で自分と戦ってる1スケーターです。



だからせめて個人は否定しないであげて下さい。









本当に素晴らしい戦いを見せてもらえました。



日本の為にプレッシャーを抱えながら頑張ってくれた浅田選手、鈴木選手、村上選手。

そして感動を与えてくれた国内外全ての選手の皆さんに感謝します。








今回、ソチのフィギュア解説をさせてもらって改めてスケートをやってきて良かったと、
スケーターである自分をもっと好きになれました!!




ありがとうございました!
お疲れ様でした!










璃奈