私の娘は
筋金入りのワガママ娘(でした)
 
というよりも、私がそのように育てた。
というのが正確な言い方かもしれない。
 
甘やかして育てているということではありません。
どちらかというと、けっこう厳しい方かな。
 
ベビーシッターさんや、
幼稚園の先生からは、
 
本当に天使みたいで、
手がかからない子で、
お母さん幸せですね!
 
と言われるのですが、家では違いました。
 
仕事から戻って、
家事に追われながら娘のワガママに付き合って、
ようやく寝たと思えば、
2時間後には泣いて起きる、
側に行くまで泣き続ける。
 
という毎日を約3年間。
新生児の頃のほうがマシだったのでは?
 
当然、クッタクタですよ。
 
夜、自分の時間を作る余力もない、
ベッドに倒れ込んで気絶して、
朝を迎えても疲れなんて取れてるわけもなく。
 
 
ふと、自分の大学時代の講義のことを思い出しました。
 
当時のノートを発掘して
 
これだわ、まさに。もっと早く思い出せよ私!
 
『アドラー心理学』
 
アルフレッド・アドラーは、
ユング、フロイトに並ぶ心理学者で、
「何のために」という目的が行動を決めるという考え方を中心に
心理を紐解いていく方法を取っています。
 
「どうしてこんなことするんだろう?」
という原因論ではないんです。
 
子供が、泣いたり、怒ったりする引き金(原因)は、
その時の感情、体調、時間帯、空腹、眠気 etc
無数にあるものです。
 
ただし、
目的は?(じゃぁどうしたいの?)
と考えると、多くの場合、
答えはひとつだったりします。
 
相手(大人)を思い通りに動かして、
目的を達成しようとしている。
という事です。
 
目的を達成するため、
子供たちは、様々な方法を使って示してきます。
 
1、話しかける。  失敗
2、大きな声を出してみる。  失敗
3、泣いてみる。 失敗 時々 成功
4、怒ったり、カンシャクを起こしたりしてみる。 失敗 時々 成功
5、駄々をこねてみる。  失敗 時々 成功
6、痛い!と言ってみる。  失敗 時々 成功
7、ケガをする。大袈裟に伝える  失敗 時々 成功
8、病気になる。  → 心配したり、かまってもらえる。
 
こういう成功体験をすることになると、
子供は学習するので、
次は、1、2を飛ばして
3からスタートします。
 
3~6でダメなら
7、8と、レベルがエスカレートしていきます。
 
 
つまり、親は、子供のアクションの目的
いち早く気が付いてあげる必要があるという事です。
 
正し、上から目線で決めつけてはいけません。
 
「そうだね、お腹が空いたんだね。おやつあげましょうね」
 
って、おやつは喜ぶかもしれないけれど、
本当は抱きしめてほしかったかもしれない。
 
抱きしめてもらいたかったのに、
おやつ与えられて、
また家事をしに自分以外のどこかへ行ってしまった。
 
不満、残りますよね。
その場しのぎ感、たっぷりですよね。
 
この不満は、次の欲求にどんどん重ねられていきます。
 
ではこの後、喉が渇いた時、
さっき抱きしめてもらえなかった不満がそこに乗っかります。
 
不満レベルが高いので、
成功確率の高そうな表現レベルからスタートします。
 
「ママ、喉乾いたー」
「ハイハイ、どうぞ」と言ってお水を出す。
「コレじゃないーーー!!」
「えー?喉乾いたんでしょ?お水飲みなさい」(困)
「このコップじゃ嫌ぁーーー!!」
「じゃぁわかった、こっちのくまさんのコップに入れかえようね」(苦)
「違うのーー!ジュースがいいぃーー!!」
「ジュースなんてダメ!お水入れたんだから(怒)これ飲みなさい!もぉ!!」(プッチン)
ギャーーーー!!!ヤダヤダヤダぁーーーーー!!!
 
と、言う事になります。
 
さっきの目的が達成されるまで、これが続きます。
色んなものでごまかしてもダメなんですね。
 
一番の解決策は、
子供と同じ立場になって共感するという事です。
「お腹が空いたのかな?」
「眠たいの?」
「じゃぁ、ギュッてしようか!」
「本読みたい?」
 
こんな風に、質問してみます。
「うん」
と答えたら、間髪入れずに、
「ママもぉ!!」と言います。
 
そして、一緒にできる事は一緒にやればいいし、
やってはいけない事なら、「あぁー本当に〇○したいねーー!!でも、今はママも我慢しようっと。後で一緒にいっぱい〇〇しようね!」とか、「◎◎してみたいよね、面白そうだよね。ママもやってみたい!!けど、、、ちょっと危ないかもしれないね。やめとこっか。」
こんな感じです。
 
 
子供の目的を一発で当てられなくても、
イライラする必要はありません。
「じゃぁ、なんなの!!??怒」
と、焦ってすぐに答えを出そうとしなくても、
回数を重ねていくうちに、目的に辿り着きます。
 
あまりに聞いている時間が無い時は、
「ママ、今お洗濯しようと思ってるんだけど、〇〇ちゃんも一緒にやってみる?」
「お洗濯が終わったら、また一緒にお話ししようね」
と、自分のペースになるべく巻き込むように促します。
 
上手くいくときも、いかない時もあります。
でも、だんだんと、お互いに楽になっていきます。
 
子供も、「ママは理解しようとしてくれているんだな。」と感じるようになります。
そして、こちらも「この子には、私の愛情が必要なんだな、こうやって豊かな心に育っていくんだな」と思えるようになるはずです。
 
もちろん、怒る事だってあるし、自分がイライラしているとき、急いでいるとき、体調が悪いときは、頭ではわかっていてもできない時があります。
でも、出来る時もあるんだから、そういう時からやっていけばいい。
 
 
 
アドラー心理学は、ビジネス書にもよく出てきますが、
子育てにも活用できる部分がとっても多く、
書籍も出ています。
 
これは、
自分が変わるとか、
自分の生活を変えるとか、
子供を変えるとか、
子供を躾けるだとか、
 
そういうのとは少し違います。
 
あなたは、あなたのままでいい。
だけど、相手の目的が何なのかを考える。
というように、考える場所の重点をそちらに向けるという事です。
 
子供の目的が、あなたの道徳的考え方を基準にどうであるか、
それを示してあげることが、大切な愛情であり、「子育て」なのではないでしょうか。
 
 
今日も、あなたとあなたの周りの人が
笑顔で過ごせます様に。
 
 
 
 
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