許されなかった恋 ~女子中学生と塾講師の悲しい恋・有賀理奈の物語~ -20ページ目

第3回

岡田が大学の都合で、いつも授業を行っている曜日を、

1回だけ他の曜日にずらして欲しいという話が合った。

それならば、という事で高田と同じ曜日、

時間帯に行う事にした。


高田と同じ日にしたいというだけで、

特に意図していなかったが、

この前高田との話に出てきた斉藤という先生も

初めて見る事が出来た。


斉藤源一。大学3年生で、

高田が言うように割と格好良かった。


隣で授業を行っている斉藤と高田の会話が聞こえてくるが、

明るい感じの口調、そして時々話す冗談も、

岡田とは違った良さがあった。


高田が良いと言うのも頷ける。


授業は高田と同じ時間に終わった。

外に出て、2人で立ち話をしていた。


最初はいつも通りの学校の話とかをしていたが、

その内話は斉藤の話へとなっていった。


「綾子の言っていた斉藤先生見たよ。

確かにカッコイイし、話も面白そうだよね。」


「でしょ。ちょっとオトナって感じでイイよね。」


「私も斉藤先生の授業受けてみたいなー」


そんな会話をしているうちに、塾の扉が開き、

「お疲れ様でした」という声が聞こえてきた。

斉藤が授業の後片付けを終え、階段を下りてきた。


「理奈、今から時間ある?」


「うん、けど何で?」


「源ちゃん誘ってガストにでも行かない?」


「源ちゃん?」


「あっ、斉藤先生の事。」


「えっ、どうしよう…。ううーん」


斉藤が階段を下り、こっちに近付いてくる。

斉藤も高田に気付いたようだ。


「少しだけ行ってみようよ。楽しいと思うよ。」


「ううーん…、分かった!行ってみよう!」


高田は斉藤に近寄り、

「これから理奈と3人でガストに行かない?

もちろん源ちゃんのおごりで。」


と、友達をご飯に誘う感じで話しかけた。



斉藤は2つ返事で了承した。



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