※このブログはサークル外部で行われたMTGの大会の報告になります。ですので普段のサークル活動とは異なる点もございます。また、専門用語を説明なしで多用しますがご了承下さい。
ずいぶんとブログの投稿が遅れてしまってすいません。17年度生のミズノです。今回は前回のMFであるMF京都で味を占め競技マジックが楽しくなってきたので、横浜までMTGをしにいってきました。勝てているうちはなんでも楽しいものですよね。
横浜本選のフォーマットはモダンでした。一応軽く説明しますとMTGでは使えるカードプールの広さによってフォーマットが分かれていて、モダンは最もカードプールの狭いスタンダードの一つ下のフォーマットになります。といっても直近2年弱のカードしか使えないスタンダードとは異なり2003年以降に発売された通常セットのカードなら基本的にはすべて使えるので、当然単体のカードパワーもデッキの出力も高くなります。牧歌的なスタンダードとは違いどのデッキも殺意に満ち溢れているので、温い動きをするとすぐに付け込まれます、怖いですね。
そんな殺伐としたモダンですがカードプールが豊富なこともあり、環境には多種多様なデッキが存在しています。その中から今回本選に持ち込んだのはイゼットフェニックス。今をときめくモダンのトップメタですね。
どんなデッキなのか簡単に解説します。青赤の2色で組まれ軽量のキャントリップを連打することで、デッキの代名詞にもなっている弧光のフェニックスを墓地から戻したり、氷の中の存在(中野君)を素早く裏返したりして相手を殴り切る、コンボ要素のあるフェアデッキです。このデッキの魅力はキャントリップが多いので動きが安定し、サイドボードにアクセスしやすいことと、相手に合わせて自分のゲームスピード、プランを幅広く設定できることだと思います。ともするとただの丸いだけの特徴のないデッキですが、どの勝ち筋も高水準かつ切り口が異なるので完全には対策することが難しいデッキになっています。




以下がデッキリストです。
3 Island (島)
2 Mountain (山)
2 Polluted Delta (汚染された三角州)
4 Scalding Tarn (沸騰する小湖)
4 Spirebluff Canal (尖塔断の運河)
3 Steam Vents (蒸気孔)
4 Arclight Phoenix (弧光のフェニックス)
2 Crackling Drake (弾けるドレイク)
1 Snapcaster Mage (瞬唱の魔道士)
4 Thing in the Ice (氷の中の存在)
2 Pyromancer Ascension (紅蓮術士の昇天)
1 Echoing Truth (残響する真実)
1 Lightning Axe (稲妻の斧)
4 Lightning Bolt (稲妻)
4 Manamorphose (魔力変)
2 Surgical Extraction (外科的摘出)
4 Thought Scour (思考掃き)
4 Faithless Looting (信仰無き物あさり)
1 Flame Slash (炎の斬りつけ)
4 Serum Visions (血清の幻視)
4 Sleight of Hand (手練)
Sideboard:
2 Blood Moon (血染めの月)
2 Abrade (削剥)
1 Ceremonious Rejection (儀礼的拒否)
1 Dispel (払拭)
1 Ravenous Trap (貪欲な罠)
2 Spell Pierce (呪文貫き)
1 Surgical Extraction (外科的摘出)
1 Chandra, Torch of Defiance (反逆の先導者、チャンドラ)
2 Anger of the Gods (神々の憤怒)
1 Beacon Bolt (標の稲妻)
1 Shatterstorm (粉砕の嵐)
本選の前日の様子では、同型、人間、ドレッジあたりが多くいて、後ろ2つ(特に人間)はメインはそこそこ厳しめだったこともあり、どちらにも有効に働く神々の憤怒をサイドから2投することにしました。また、イゼフェニのリストでは漂流と選択をよく見かけますがどちらも個人的カードが弱くて嫌いなので、比較的マシな残響する真実と手練に置き換わっています。正直、選択と手練のどちらを採用するかは好みの問題だと思っていますが、プロツアーでの採用率を見る限り選択が正解のようです。メインボードに限って言えば、構える場面がそこまでないので手練のほうが強いですが、サイド後はカウンターを構えるのと、減衰球、月による青マナ源の減少等が相まってインスタントである選択に軍配が上がるといった感じですね。MTGはサイド後の方が多く戦うゲームなので、選択が優先されるのは至極当然だと思います。選択も手練もカードが弱すぎるから定業を使わせてくれ。
本選には私のほかに、ヒミコさん、みのるさん、じゅぴたーさんが参加されていて、使用デッキはそれぞれ、イゼフェニ、ヴァラクート、人間でした。2週間くらいはぼちぼち練習していましたが大して勝てておらず、追い打ちをかけるように前日のラストチャンストライアル(4-0すると2byeもらえる)で2回連続で0-1したこともあり、全く自信がないまま本選に突入……
結論から申し上げますと、戦績は11-4の135位でした。内訳は以下の通りです。
R1 ホロウワン 先 ○×○
R2 青緑マーフォーク 後 ○○
R3 人間 後 ×○○
R4 ヴァラクート 先 ○○
R5 人間 先 ×○×
R6 トロン 先 ○○
R7 バーン 先 ××
R8 バーン 先 ○×○
R9 トロン 後 ×○○
R10 ヴァラクート(ブリーチ型) 先 ××
R11 トロン 後 ×○○
R12 トロン 後 ○×○
R13 トロン 後 ○○
R14 赤黒アグロ 後 ○○
R15 トロン 後 ××
蓋を開けてみたら大トロン祭りでした。当たった回数6回、特に2日目に至っては6回戦中4回トロン。対戦したアーキタイプ数でみても、大体トロンかバーンかヴァラクート、人間で、モダンの多様性()を見せつけられました。同じデッキに多く当たる分にはそれはそれでまあいいのですが、それがトロンなのが辛かったですね。基本的にはイゼフェニはコンボには不利なので、土地コンボであるトロンはあまり当たりたくない相手。かつ、こちらからできる干渉手段が少ないので相手が回らないのを祈ることしかできません。ですので、vsトロン5-1だったのは祈祷力の賜物でしょう。現に、じゅぴたーさんはトロンの群れに轢かれていました…トロンに対する呪詛は尽きませんがこの辺で切り上げて、ダイジェストで振り返ります。
R3vs人間 多分一番頭タフなマッチでした。メインはサリヤ、反射魔導士から嵌められて一瞬で負け。G2はライフ3まで殴られてから、中野を裏返して10点で殴り返して、ボルト瞬唱ボルトで焼き切って勝ち。G3は中野に対して反射が出てこなくて14点パンチいれて勝ちました。
R5vs人間 落としたマッチの中で唯一勝てたかもしれない対戦。G1で相手おそらくランド1バイアル2キープから一生土地引かず相当展開が遅れているのに、こちらも何も引かず、スクリューから復帰した相手にボコボコにされて負けたのが心残り。G2は憤怒刺さったから勝って、G3はブン回りで負けました。
R8vsバーン 2日目行けるか決まるバブルマッチで相当不利なバーンが相手。G1は相手が地主だったので勝ち。G2はこちらの回りも悪い上に順当に火力引かれて焼き切られて負け。G3は土地3、除去3、ドレイクみたいなハンドでキープするか悩みましたが先手で除去が間に合うのと、相手が生物ハンドであることを信じてキープ。結果的に相手の生物を全部焼いて1点も殴らせず、火力が足りていない間にドレイクで殴り切って勝ち。
R10vsヴァラクート(ブリーチ型) 初日を7-2で抜け、意気揚々と2日目に臨んだ私を待っていたのは無情なメイン2ターン目チャリスx=1でした。2ゲームとも1ターン目探索待機(サイド後はトーモッドの墓所のおまけつき)から2ターン目チャリス、3ターン目ランパン、4ターン目ブリーチからタイタン走ってきて4キル。ここまできれいに回られるといっそ清々しいものがありますね。カットの練習をしましょう。
R15vsトロン R14終了時点で11-3だったので次でidできれば賞金ライン入りが確定、逆にR13時点でかなりオポが低かったので負けたらおそらく賞金ナシ。当然idをすべく最後の対戦卓の発表を見に行くと、そこにあったのはオポ最下位からの階段卓でした。こんなことある?250$をかけた負けられない戦いが始まるーー なお、G1はトロン特有のダブマリからの4ターン目ウギンで負け。G2は今大会初のダブマリからそこそこ頑張ったけど順当にトロンそろえられて負け。あ ほ く さ、辞めたらこのゲーム。あとで確認したら勝っても賞金額上がらなかったので虚無。隣の卓が悠々とidしているのを横目にデッキをシャッフルしていた時のミズノ君の気持ちを50文字以内で答えなさい。ここまで勝ててたのが相当ツイてたのでまあ仕方ないですね。
最後は若干残念でしたが、前回のMF京都に引き続いて11勝できたのは素直にうれしかったですね。トロン相手に毎回わりと理想的な動きができたのが大きかったです。プロツアーに出られる13-2ラインを目指して今後もMFに出ると思いますが、そもそも毎回こんなに勝てるものでもないので惜しいラインまでいくと割と悔しいですね。上位卓、全体の母数ともにトロンはかなりの勢力だったのでもう少し土地コンボに対して厚めに対策がとれていたら結果は変わったかもしれません。実際Top8に残ったイゼフェニのリストにはメインから月、サイドには拒否2枚、広がりゆく海まで取られていました。海は全く思い浮かんでいませんでしたが、トロンに強いだけでなく月を貼ったあと相手の基本土地を縛れたり、自分の青マナ2つ目を確保できたりするので確かに強いカードでした。
大会を通じて感じたのは、イゼフェニは柔軟性の高い本当に良いデッキです。モダンのデッキのなかでは標準的な難しさでモダン参入にもおすすめできますし、それなりに自由枠もあるのでカスタマイズも効きます。確かにブン回りは理不尽な要素もありますが、トロンをはじめとして理不尽なコンボはいくらでもありますし、できることなら規制されることなくモダンの定番デッキの1つとして定着してほしいですね。禁止するなら魔力変だと思いますがストームも一緒に氏んでしまうので勘弁してもらいたい。とりあえずモダンホライズンで封じ込める僧侶を収録したら色々マシになると思います。
最近サークルの中でMTGAがそこそこ流行っているのが本当にうれしい限りです。灯火対戦のプレリに参加してくださった方も何名かいらっしゃいました。勿論紙媒体でマジックをするだけがMTGの楽しみ方ではないので、MTGに触れる人そのものが増えてくれるのはこのコンテンツにとって何より大事なことだと思います。マカロンさんがアリーナのサークル内の大会を5月11日に企画されているので、皆様ふるってご参加下さい。
最後になりましたが、MF横浜でご一緒した先輩方にはまたしても様々な面で大変お世話になりました。ありがとうございました。中華美味しかったです。このブログを書いているときにちょうどMF名古屋の開催も決まりましたので、またタイミングが合えば参加したいと思います。ここまで読んでいただいたみなさんにも感謝を。