いやぁ、ここまで長かった。定番のデモンパで、満を持して(?)初GMです。
皆さん徹夜明けで精神的にも肉体的にも一杯一杯の中、こんな長くて重い話に付き合ってくださってありがとう御座いました。


鉛色の風が肌をなめる。
不快ではない。が、気持ちの良いものではない。
空を見上げる。
黒い。そして、重い。
まるでこの世界の何もかもを逃すまいとする蓋の様だ、と思う。
だが、例えその蓋が無かったとして、果たして自分は飛べるのだろうか、とも思う。
自嘲に唇が歪む。
思い描くのはいつも同じ夢 ――

デモンパラサイト小坂シリーズ第69話
『漫ろ雨の降る日は』


<登場人物>
朝峰 燈馬(アルバレスト/00doll)
良家の子女。高校卒業後探偵事務所を営む傍ら、地球以外の生命体の存在を感知、その調査にあたっている。また、自分より優れた者を素直に認め付き従う等、プライドに固執せず更なる向上を目指すストイックな青年。(注:一部誇張表現あり)

東郷 征斗(ドラグーン/東京)
小坂市の荒くれどもを総括する若きカリスマ。大きな事件が発生すると必ずと言っていい程彼に依頼が来るのは、彼の統率力、行動力、判断力等が小坂でも随一であるため、仕方の無い事である。(注:一部誇張表現あり)

日林 進(ファランクス・ウォーコイト/急須屋)
普通の人ならば決して目にも留めない気も付かない些細な、しかし重大な事情を逸早く察知し、たとえ変人扱いをされようとも皆の未来の為に日々尽力する偉大な男。朝峰燈馬には自分と同じ魂を感じ師事している。(注:一部誇張表現あり)

猿渡 次郎(ヴォージェ・ドラグーン/ミドリ)
小坂市最大勢力の指定暴力団猿渡組の次男で、次期8代目は確実というよりももう組員からは就任要請の声が数多く上がっているのだが、本人は「下っ端の気持ちが分からないと頭は務められない」と言いはり、現在も精力的に活動する。(注:一部虚偽表現あり)

序章 「開幕の詩」
空は茜色に溶け、夜も更けった小坂の路地裏。青年、叢雲宙は仕事を終え、帰路についていた。
と、そこに現れる黒服の男が三人。しかし、いずれも鍛えはしているようだが一般人。悪魔憑きである宙の前では所詮恐るるに足りない。適当にあしらって早く帰ろうとした宙。だが、その瞬間、全身をとてつもない脱力感が襲い、その場に倒れてしまう。薄れゆく視界の中、宙の目に写ったのは男の手に握られたトランシーバー程の大きさの機械であった。

第一章 「不穏の影」
さらわれる宙、その現場を偶然見かけた日林は追った。しかし間に合わず逃走を許してしまう。ジョーさんからの連絡を受けた彼は、セラフィムヘと向かう。

汎に見かけない黒服の話を聞き、いぶかしむ東郷。同時にジョーさんからの電話を受け、セラフィムへと向かう。しかしその道中何者かに足を狙撃され、黒服に囲まれてしまう。悪魔化した東郷に対し、彼らははすぐさまトランシーバー大の機械を向けてくるが効果はなく、それを見るやすぐさま逃げる。男達の腕に髭の長い龍の刺青を見た東郷は、深追いはせず急いでセラフィムヘ。

マサから見かけない黒服の男達の話を聞き、いきり立つ次郎。ジョーさんからの連絡を受け、セラフィムヘ向かう。

燈馬は街で誘拐されそうになっている少女を助ける。程なくして彼女をお嬢様と呼ぶボディーガードらしき黒服の青年が現れ、深瞬(シェンシュン)と名乗る。どうやら彼の方にも多数の男が向かって来て足止めを食らった隙の事だったらしい。是非お礼をさせて欲しいと言われ連絡先を教える燈馬。

第二章 「交差の道」
ここ1カ月程“悪魔憑き狩り”と呼ばれている事件が発生している。被害者は死亡者と行方不明者を合わせて18人にも及んでいる。事件解決に協力して欲しい、と言われる3人。東郷がジョーさんに髭の長い龍の刺青について尋ねると、語り始めるジョーさん。それによると、十年程前に出来た中国系のマフィアで、名を老龍会(ラオロンフイ)と言い、当時の会長の名は挺矜(チンジン)と言うらしい。しかし、ジョーさんは当時の情報しか持っていなかった為、名前を元に調べる一同。

燈馬がお礼に、と呼ばれたのは高級レストランであった。彼女は名を美花(メイファ)と言い、最近仕事の為小坂に来た父に着いて来たらしい。まだ全然小坂に慣れていないと言う彼女に、街を案内してあげようかと提案する燈馬。
その帰りジョーさんから連絡を受け、事件解決に協力する流れとなる。

4人がさまざまな方法を用いて集めた情報に拠ると、十年前ただの弱小マフィアだった老龍会は5年程前から急速に力をつけ、現在ではそれなりに名も知れているらしい。会長は十年前と変わらず挺矜。しかし、5年前彼の妻が失踪してからはその人柄も大きく変わったらしい。あくどい事にも手を伸ばし金の亡者となった彼の手腕で様々な分野に進出しており資金源はかなり豊富である。ただ、良い手駒が揃っておらず、他のマフィアとの抗争の際にも武力には訴えられないという弱点を持っているらしい。また、確かに1カ月程前から小坂にて何やら怪しい動きをしているという情報も。
また、トランシーバー大の大きさの機械については、目撃情報は多いが詳細までは分からず。

週末、美花に様々な場所(主に宇宙人の出現場所等)を案内する燈馬。なんだかんだで楽しんでいる美花。本当は自分は男性が少し苦手だったけど貴方なら平気と言われ、もやしっ子である事を再確認させられる燈馬(違

第三章 「交錯の想」
情報は集まったもののどうするかと一旦セラフィムに集まった4人。と、そこへセラフィムのメンバーから、悪魔憑きが黒服に拉致され街の北の廃工場に連れて行かれたという情報が。しかし、同時に燈馬に美花から会いたいという電話が。電話の声には明らかに元気が無い。迷った末、美花に会いに行く燈馬。こちらは私達だけで大丈夫、君は君のすべき事をしなさい的な良い事を言う日林。

廃工場の地下には怪しげな研究所が。突入する3人。逃げ惑う研究員。そして黒服との戦闘。
しかし、3人が変身しようとするも、それは叶わない。それどころか生命力の上昇や特殊能力など、悪魔寄生体に関係する全ての力が失われてしまってる。どうやら部屋の四隅に置かれた機械の効果で悪魔寄生体自身の力が弱まってしまっているらしい。仕方なくそのまま黒服と戦いつつ機械の破壊を試みる。3人が満身創痍となりながらも二つの機械を壊すとその効果は大幅に下がり、仕方なく敵は残りの装置も停止させ、4人の黒服はトリブルス黒服、ブラジオン黒服へと変貌する。対する3人も悪魔化しこれを迎え撃ち撃破するが、その時には研究所はもぬけの殻であった。

美花と会う燈馬。「最近父の様子がおかしくて恐い。しかし母が父を裏切り、そしてまた今自分までも父を裏切るわけにはいかない」と思い悩む美花。もしかしてその父とは老龍会の会長、挺矜ではないかと尋ねる燈馬。彼女は燈馬がその事を知っている事に驚くが、肯定する。
「貴方の顔を見たら安心した」とぎこちない笑顔で言う彼女をこのまま帰す訳にはいかないと思う燈馬だが、取り合えずいつでも事務所を訪ねてきて欲しいとだけ伝え、別れる。
深瞬に、会長の様子がこの街に来てから更におかしくなった。今は見張られているがもしかすると機会をみてお嬢様を逃がすかもしれないので、その折は手伝って欲しいと頼まれる。もちろんと答え、しかし貴方は?問う燈馬。しかし彼もまた、私は恩人である会長を裏切る事は出来ない、と答えるのであった。

第四章 「泡沫の夢」
セラフィムに集められる東郷、日林、燈馬。次郎が研究所で捕まえた黒服を尋問し、その情報を元にDr.某が調べたところ、機械の正体が分かる。どうやら研究所の機械はA.D.P.(Anti Demon Pulse―対悪魔波動※1)を発し、指定空間にA.D.F.(Anti Demon Field―対悪魔空間※2)を展開するものだったらしい。件のトランシーバー大の機械もその電波を発するものだったようだ。ただ最初の頃は小型化にうまく成功しておらず効果が不安定だったらしい。しかし現状ではおそらくもう小型化や波動の指向性の制御なども完成されている恐れがあると踏む。それに対抗する装備を作る間に老龍会の本拠地を調べといて欲しいと頼まれる面々。
因みにどうやら研究所はR.O.P.が廃棄したものを使用しており、様々データはそこにあったものを流用していたらしい。(と言う事はR.O.P.もA.D.P.を持っているのかもしれないという伏線。さぁ、どなたかどうぞw)

情報収集も兼ねて街に出た燈馬は逃げている美花と出くわす。すぐに追っ手を打ち倒した深瞬も追いついてくる。どうやら状況が変わり、挺矜が美花にまで手をかけようとしたらしく急遽逃げてきたらしい。会長はもう狂ってしまったのかもしれない言う深瞬。迫る追っ手。燈馬、深瞬はそれぞれ戦うが、連続する戦闘で疲弊していた深瞬は多勢に無勢でやられてしまう。燈馬は悪魔化しようとするが、単一指向性A.D.P.を使用し悪魔化を防いでくるブラジオン黒服に一方的にやられてしまう。黒服は美花と深瞬を連れて去る。

ぼろぼろで路地裏に倒れていた燈馬は偶然通りがかったタマに助けられ、セラフィムヘと連れられる。他の3人の調べで老龍会の本拠地の場所も分かり、いざ乗り込もうとする4人に、Dr.某から悪魔寄生体を活性化させA.D.P.の効果を打ち消すDemonic Intnsifier(悪魔寄生体活性剤※3)と試作型衝動抑制剤※4が渡される。

乗り込むと同時に早速Demonic Intensifierを使った4人は、衝動抑制剤をうまく使いつつ数多の敵をなぎ倒しながら急いで最上階を目指す。
最上階の大広間。そこには悪魔憑きとなりブラックギアスを付けられ、さらに薬物の影響か意識を保つ事もままならない深瞬が。お互い高レベルのファランクスである深瞬と日林による高速戦闘、軍配は日林に。全ての行動を封じられ、成す術も無く敗れ去る深瞬。彼の少しでも残っていた意識が、彼の力を押し留めていたのかもしれない。
そして現れる挺矜。狂ってしまっているのか意味のある言葉を話さない彼(別に衝動の所為じゃないよ)に呆れる一同。しかし彼が扉を開け放つと、そこには変わり果てた美花の姿が。壁一面の大きな装置、その中央に埋め込まれた裸身の美花。表情は機械のようだが、瞳からは一筋の涙が。美花を中心としてそのまわりに光る九つの球体。それらが一斉に機動し、戦闘開始。
R.O.P.から得たデータを元に作成されたその装置は、9種の悪魔寄生体の力をつかってくる。しかし本家とは違い安定してはいないようである。相手が動けない事を利用し、一気に接近、射撃攻撃を封じる東郷と次郎。力任せに装置を殴り続ける。そのパワープレイの前に装置は見る見るその耐久力を失ってゆき、最後は燈馬の精密な射撃で破壊される。
急いで美花を救出する燈馬。見たところ外傷は無い美花、しかし彼女は全ての記憶を失っていた。
その後ろでは次郎が挺矜を追っかけまわしてどついていた。

終章 「終演の詩」
とりあえずセラフィムは計らいで小坂市内の病院に入院させられた美花。記憶を取り戻す事は無いそうで、これからじっくり一から学んでいくしかなさそうだという事らしい。お嬢様を二度と闇の世界に触れさせたくないから、と姿を消した深瞬に頼まれ、時折美花の様子を伺いに来る燈馬。

とりあえず一件落着し、くつろぐ東郷。しかしまた駆け込んで来る汎。

ちゃっかり老龍会の残党を吸収した猿渡組の次郎。どうやらその中に深瞬と言う名の手練のファランクスも居るらしいとの噂が…

新たなミステリーを求め動き出した日林。頑張れ(笑顔で)。

【注釈】
※1 振り直しは出来るが、それ以外はすべて一般人状態となる。特殊能力も使用できない。
※2 シーン内の動植物は全てその効果を受ける。機械は4つで、耐久力各15。3つになるとメインの1レベルの最終能力以外の特殊能力は使えるようになり、2つ以下になると最終能力以外の特殊の能力が全て使用可能となる。
※3 注射薬剤。使用した瞬間自動で悪魔化する。使用中は1シーン毎に衝動1点。効果時間は1~2時間。
※4 衝動を1D6回復する薬剤。ただし4、5、6が出た場合副作用で即座に10点のダメージを受ける。

【後述】
そんな感じです。長くてすいません。これ以上削れなかった…。設定使ってくださって全く構いませんゆ故。
燈馬はちゃんとマメにお見舞い行ってます。その甲斐あってか、最近美花は会話できる程度までは回復したようです。
そのうち伏線回収しようかな、と考えてます。では、また。