今年も藤の花が咲きました

え?いつの間に?

二週間ほど前は
枯れ木の如き様を呈していたのに

初夏の風に揺れながら
フサフサと
心地よく揺れている

今年も藤の花が咲きました

何もしていないのに
優しい愛の言葉もかけず
栄養になる肥料もあげず
したことといえば
放っておいたことだけで
毎年毎年
里道を歩く人々の眼を
楽しませている

「今年も美しく咲きましたね」
「いつも、観させていただいています」

お散歩中のおばあちゃんから
声を掛けていただく

世間はコロナ禍で
暗いニュースが行き交うばかり

こうして平凡な日常の中
通い合う心があることが
幸せなことなんだと
透明な風に心地よく揺れている
薄紫の花を見ながら
今日も心に言い聞かせる