ひとりになると
あのいまわしい過去がリアルによみがえってくる
夕方になると必ずと言っていいほど
殴られる痛み
殺される恐怖が襲ってくる
湯船に沈められて
肺にまで水が入ってきて呼吸も出来なくなる
その姿を見て
あざわらう母親
頭から顔
お腹
身体中を握りこぶしで殴りながら
足で蹴り飛ばされながら
立てなくなっても
髪をつかんで持ち上げられ
意識が無くなるまで殴り蹴り続ける父親
父親が帰ってきた瞬間から
それは毎日続けられる
性行為も繰り返される
顔から身体
全てあざだらけで
学校へ通わせてもらえない日々は多く続いた
意識が戻らない日が何日続いても
病院へ連れて行ってもらえることはなかった
今思えば
病院と警察は繋がっている
そのことで警察行きになることが怖かったのかも知れない
頭がぱっくり割れて
血が流れ出していても
手当をしてもらえることはなかった
父親も辛かったのかも知れない
母親も苦しかったのかも知れない
私の母親は
母親としてではなく
男に生きる女だった
父親にかまって欲しかったのだろう
父親に愛されたかったのだろう
だけどそれはかなわず
怒り、憎しみを私にぶつけることで
解消する方法しかなかったのだろう
そんな父親でも
そんな母親でも
私はただ愛されたくて
愛することを許して欲しくて
ふたりの笑顔を見たくて
どうすれば笑ってくれるのか
そればかりを考えて過ごした
私はどうすればいいこになれたのだろう
いいこじゃないからそれは仕方のなかったこと
父親
母親に笑ってもらうことが出来なかった自分が悪い
全部お前が悪いと言い続けて殴り続けた父親
湯船に沈め続けた母親の責任じゃない
全ては私の責任
言うことを
全ての命令に従えなかった
私の責任