天使の梯子 | @ the bottom of my heart

天使の梯子

村山 由佳
天使の梯子

『天使の卵』から10年。歩太・夏姫、29歳。

8歳年下の男に熱愛される夏姫・・・。

再び、あの切ない恋物語が甦る!



号泣しながら読みました。


最初の数十ページですでに切なすぎて読むのを止めたほど。

なぜこの作品がこんなに私の感情に訴えるのかは、自分がよくわかっている。


今の自分には厳しい言葉が並び、主人公慎一は自分にとてもよく似ていた。

歩太の気持ちも、夏姫の気持ちも痛いほどによくわかった。


「天使の卵」を読んだのは8ヶ月ほど前。

その時と私の心境はかなり変化している。

おそらく直後に読んだのならこれほど感傷的にならなかっただろう。


「誰に何を言われても消えない後悔なら、自分で一生抱えていくしかないのよ」


夏姫はこう言った。

慎一にではなく自分自身に対して。


後悔とはそもそもそういう種類のものだと思う。

今癒えることがないからこそ悔やみ続けるものだと。


消えない後悔を抱えて生きていくほど苦しいことは無い。

けれど生きていく限り抱えなければならない後悔に必ず遭遇することがある。

人が放った言葉は、もう二度と消すことは出来ない。

相手があちらの世界の人間になってしまっては、なおさら。

置いていかれた者たちはただただ想像をめぐらすことしか出来ない。


それはとても辛い。

歩太も夏姫も、この1件で癒されたとは到底思えない傷を抱えていると思う。


10年と言う歳月は決して傷を消したりしなかった。

ただ夏姫は「赦す」ことを知った。


先日村山さんは言った。

深く人を愛したことのない人に恋愛小説は書けないと。

「赦す」こととはまさにそのことだ。

人を深く思うこと、愛することでしか知ることのできない感情。


私は2人のようになれるのだろうか。