思いのほか長くなってしまったこのシリーズ、
木をなぎ倒す=絶対悪なのか
についての最終章です。
今まで、木を切る必要性として
1、木材が欲しいから
2、その木を切る必要があったから
3、その木が邪魔だから
がありましたね。
そして、
1、木材が欲しいから
木を切ることは絶対悪?1 木材を必要とする人間
2、その木を切る必要があったから
木を切ることは絶対悪?2 切らなければならない木もある
3、その木が邪魔だから
木を切ることは絶対悪?3 その木が邪魔だから
については過去のブログに書かせていただきました。
今回は補足と、私なりに導き出した答えを書いていきたいと思います。
★補足
結局のところ、木を育てるのはいいとして、
切らなくてもいいじゃん!自然はそのまま大切にしておいてよ!!
とお思いになった方がいると思いますので補足しますね。
木は植物です。
人間や動物しかり、元気でいられる時間というのは限られているのです。
小さな苗木からめきめきと成長し、大地にしっかりと根を張り、雨で土が流れるのを防ぎ、
空気中の二酸化炭素をたくさん吸い込み、きれいな酸素を吐き出す…。
青々と葉が生い茂り、私たちの心に豊かさをもたらせてくれる森林…。
この状態を永遠に続けてくれるものだ…と思いきや、
年を取れば、木もその機能が衰え始めます。
二酸化炭素を吸う力も、土をつかむ根の力も、徐々に衰えるのです。
そこで!!!自然を豊かにする役目を十分に果たした木を、
第二の人生として木材に生まれ変わらせ、また私たちの生活を豊かにしてくれるものへと加工する✨
そしてまた、二酸化炭素をいっぱい吸い込んでくれる若い木を苗木から育てる。
こうやって循環させていくことで地球の空気を綺麗にし、土砂崩れを防ぎ、木材で家も建つ!
いやぁ、木ってほんとにいいもんですねぇ…
写真提供 One craft HOME
お分かりいただけましたでしょうか?
私たち林業家の仕事は木を切って売って生計を立てている!
だけではないのです。
木を植え、育て、山を守り、人々の生活を守り、自然を豊かにしてくれた木に感謝しながらその木を切って販売し、またそこに木を植える。
これを繰り返しているのです。
そして、このスパンは20年~80年にも及びます。
主人に林業という産業について話を聞いたとき
「俺たちが切らせてもらっている木は、先代の林業家や開拓者達が植えた木なんだ。そして、俺たちが今植えている木は、子供たちの代になったときに商品となって出荷することのできる木に育つ・・・」と嬉しそうに、そして寂しそうに話していました。
はっきり言って何が何だかわからないことばかりの林業・・・
“キラキラ可愛いものに囲まれていたかつての生活に戻りたくない!”と言ったら噓になります。
でも、「何が何でもこの会社を、林業を、俺は守りたい!!」といった主人を見て、
今のご時世、こんなに自分の仕事に誇りと夢を持っている人がいるかな?
過去と現在と未来を、こんなにも大切に想う職業が他にあるかな?
そう思うようになったのです。
★さぁ、これが私が考える“木を切ることは絶対悪?”の答えです。
人間が、現代の世の中で生きていくには自然を壊さなければならない時が多々あります。
では、何をもって悪なのかを考えた時、
10年後50年後100年後の未来を考えないことなのではないかな?と思うのです。
みなさん、山の中で木がバリバリと音を立てて倒れたら
「可哀そう」ではなく「お疲れ様」
と思ってあげてください。
丸太をたくさん積んで走っているトラックを見かけたら、
「森林破壊!!!」ではなく「自然を豊かにしてくれた木が、今度は形を変えて私たちの生活を豊かにしてくれようとしてくれているのだ。」
と思ってください。
ふぅ(〃∇〃) =3
思いのほか長くなってしまったこのシリーズ
ご清聴ありがとうございました(-^□^-)
長々と素人風情が失礼いたしました。
これからも、
少し面白くて、ためになって、時間つぶしになる
そんなブログを書いていきたいと思います!!!
林業妻=rintsuma
※このブログは森林や林業について素人だった私が得た知識の中で、素人目線で書いているブログです。
プロの方や有識者様から見て“おかしいだろ!”と思うことがもしかしたら出てくるかもしれません。
そんな時は優しくご指摘いただければ幸いです。