そして
二人は
中学校を卒業し
それぞれの道を
歩み始めたが
そんな彼が
そんな彼が
ふと先日
うちにやってきた
夜８時頃
チャイムが鳴り
階下に住む実母が
玄関で誰かと
話しているのが聞こえ
呼ばれたので
呼ばれたので
行ってみると
その男の子が
立っていた
聞くと
聞くと
中学校を卒業し
就職をしたそうだが
仕事も
家族との関係も
うまくいかず
携帯も取り上げられ
友だちは
訳ありの子ばかりで
連絡がつかず
にっちもさっちも
いかなくなったので
ふと次女のことを思い出し
うちに来たと
母が出した
冷たいスイカを
汗だくで食べながら
彼は話してくれた
その男の子は
その男の子は
中学に入ってから
学校にも来なくなり
ショッピングセンターで
たまに会う彼は
どんどん変わっていく
と次女は話していた
それでも
それでも
次女にだけは
声をかけたり
目が合ったり
していたそうなのだが
そのうち
どんどん目も合わなくなり
卒業式にも来ず
風の噂で
就職したと聞いた
と最近聞いたところ
だったので
その晩は
その晩は
たまたま次女は
いなかったのだが
立派な体格になり
礼儀正しくなりながらも
変わらず甘えてくる彼に
変わらず甘えてくる彼に
久しぶりに会い
わたしも母も
喜んだ
そして
二人で話をし
彼からは
泉のように
彼からは
泉のように
言葉が溢れた
そして
助けて欲しいけど
迷惑は最小限にしたい
という彼の言葉の通り
少しだけ
力を貸して
彼を見送った
そして
後に母から
玄関に入ってきたとき
彼が泣いていた
と聞いた