今日も厳しい相場で日経平均は7日続落、しかも−1285円という大幅続落となりました。下落幅は21世紀になってからでは2016年6月24日の−1286円に僅か1円足りない2番目の大きさだったようです。今月11日の高値42426円からたった2週間で4557円も下げており、暴落と言っていいような下げっぷりです。

 

 今回の暴落劇の主要因は言うまでもなく円高ですが、ではこの円高の理由は何かというとまず何よりも米国がいよいよ利下げを開始しそうだという事…なのですが、日本側の対応があまりに酷い事も間違いなく円高に拍車をかけています。日経平均が史上最高値をつけた今月11日に行われた為替介入がスタートで、そこから河野や茂木といった次期総理有力候補者から利上げを主張するような発言が相次ぎ、円高&株価暴落が加速しました。そもそも円安は日本にとって圧倒的にプラスが大きいというのはちょっと考えれば誰でも分かる話で、それ(円安が日本経済にプラスである事)は今回の株価暴落劇が証明している訳ですが…とにかく日本の政府・国会議員というのは本当に情けない連中でどうしようもなく、こんなアホ共に虐げられている私たちは本当に不幸だと心の底から思います。

 

 しかし嘆いた所でどうしようもなく、私たちは与えられた環境で頑張るしかありません。差し当たっては今の円高がどこまで進むかが重要ですが、やはりメインシナリオとしては円高がまだ進む可能性が高いと考えざるを得ないように思います。「円安は日本の国力低下の表れ」などと言っているのは大バカだけで実際は日米の金利差が最も大きな理由なので、米国が利下げに向かえば円高方向に進むのは自然の成り行きです。また、どうやら外国人投機家の最近の円売りポジションは凄まじい規模になっているようで、これが解消に向かう事で短期的にかなりの円高になりそうだという話をよく耳にします。なので短期的にも中長期的にも、やはり円高を覚悟しなければならないのかもしれません。

 

 ですが、一方で逆に意外と円高にならない(むしろまた円安に戻る)という説も無くはありません。その根拠としてまず挙げられるのが、新NISAによる円売り圧力です。聞いた話では新NISAによって毎月1兆円規模の円売りドル買い圧力が生じているようで、この流れは今後も恒常的に続くと考えられます。なので新NISAパワーが中長期的な円安トレンドの定着に寄与してくれるのではという期待があります。また、この7月というのは外国人投機家のポジション調整のために円高になりやすい時期だそうです。私には外国人投機家のポジション調整と言われても何のこっちゃサッパリですが、過去数年の為替レートを確認してみても確かに7月は毎年円高に振れています。なので今の時期が過ぎればまた円安基調に…となってくれるかもしれません。あとは今月30.31日に控える日銀金融政策決定会合も、今の相場の流れを変え得る存在です。直近の円高への振れ方はいくら何でも急激すぎで、私には今月末の日銀会合での政策金利の利上げをある程度織り込みに行っている動きにも感じます。しかしいくら愚策続きの植田総裁とはいえさすがに今回政策金利の利上げに踏み込む可能性は低い…というか利上げはしないと信じたいです。会合で利上げ見送り・国債買い入れの減額幅も市場が織り込んでいる範疇であれば、円高緩和・株高への道が一気に開けるという事も考えられます。

 

 という訳で希望的シナリオも書いてみましたが、しかし日米の金利差が最も重要な為替決定要因である以上、米国の利上げが迫っているのだからやっぱりじわじわと円高に向かうというのがメインシナリオと考えるべきでしょう。今後はどの辺りで為替が落ち着くかが焦点になってきそうです。

 

 最後に、こういう悪相場になってしまうと私の決算チェックリストの公開が待ち遠しいという心境になっている方も少なからずおられるのではと想像します。ただこれは先に言っておきますが、もし為替がこのまま1ドル150円、140円、130円…とどんどん円高になってしまえば私の決算チェックリストなど何の意味も持たないものになるでしょう。株価にとって大敵となる2大要素は「金融引き締め(利上げ)」と「円高」だと私は思っており、これらが本格的に到来してしまうともうお手上げです。株で利益を得られるかどうかなど、結局は相場次第なのです。だからこそ少しでも円安圏内で為替が落ち着いてくれる事を望みますし、そのためにも今月末の日銀会合では植田総裁が暴走せずに常識的な判断を下してくれる事を願いたいです。