先日、「(ブログで紹介した銘柄を)色々買って、売り時(目標株価)が分からなくて困っている。過去紹介銘柄のその後のコーナーなんかもあると嬉しい」というコメントを頂きました。それは本当に書きたいと常々思っているのですが、どの銘柄を取り上げようかいつも本当に迷って結局ほとんど書けずじまいになってしまっています。ただ、書きたいし書くべきだとも思っているので、現在の私の見立てを知りたいという銘柄があれば遠慮なくリクエストして頂ければと思います。今回はコメントにてリクエストのあった7236ティラド・7299フジオー・7927ムトー精工の3銘柄について現在の私の見立てや目標株価について書きたいと思います。

 まずこの中で目標株価を最も明確に言えるのが7236ティラドです。
 ティラドにかける期待は、ハッキリ言うと購入した当初よりは低くなりました。その理由は5月の本決算で株主還元策が「総還元性向90%」から「DOE3%」に変更されたからです。これによって、当初期待したような大きな増配や大自社株買いは期待しづらくなりました。ただ、多少期待値が下がったとはいえ引き続き大きな期待をかけているのも事実です。ティラドは何と言っても現状の高配当が最大の長所ですが、DOE採用によって減配懸念がほぼ無くなりました。そして私の基準としては、DOE採用銘柄は配当利回り4%台前半ぐらいまで買われてしかるべきと考えています(それは多くのDOE採用銘柄の配当利回りを確認した上での評価です)。ティラドの今期予定配当は180円なので、甘めに見積もって配当利回り4.5%でも株価4000円です。なのでこの4000円というのは必達目標で、少なくともここに達するまでは売るつもりはありません。4000円に達してくれれば、次の目標はその時の業績や相場を見てから考えればいいかぐらいに思っています。

 という訳でティラドの現在の株価は割安だと考えていますが、7299フジオーゼックスはちょっと評価が難しい所です。フジオーゼックスもティラドと同様に先日の決算でDOEの採用を発表したので、増配が期待しづらい状況になってしまいました。しかもティラドと違って配当利回りが3%台前半と、私が定める「DOE採用銘柄の基準」である4%台前半に比べてかなり低く、この基準に照らし合わせるとむしろ割高という事になってしまいます。ただしフジオーゼックスには株主優待があるので100株保有の優待込み利回りだと4%台後半まで跳ね上がり、割安圏まで浮上します。また、ティラドと違って業績の見通しが結構良さそうな事やPBRも0.5しかない事を踏まえるとさすがに今が割高とは言えないでしょう。ただ、株主優待と言っても継続保有条件があるので今から株を買ったとて来年3月に優待が貰える訳ではなく、しかもDOE採用の企業の場合はいくら業績が良かろうが大した増配は期待できないので、業績もそこまで重要かどうかは分かりません。なので株価的には、今ぐらいの水準が妥当なのかなという気がします。既存のホルダーが安定株として今後も保有するのは別に悪くないと思いますが、今から新規で買うのはあまり妙味が無いと正直感じます。何か特別な材料が出ない限りは、数か月前のような株価上昇はなかなか期待しづらいのではと思います。

 最後に7927ムトー精工。こちらは昨秋に期待度No.1だった銘柄で当時の目標株価は確か2300円ぐらいに設定していたかと思います。が、ハッキリ言ってそれは過去の話で、今現在の目標株価は2300円とは思っていません。というより、今は目標株価を考えづらい時期にあります。というのもティラドやフジオーゼックスはDOE採用銘柄なので配当がほぼ固まっておりそこから目標株価を算出しやすいですが、ムトー精工の場合は業績によって配当額が大きく変動します。しかし今は新年度が始まったばかりでまだ1Q決算すら発表されておらず、今期業績が全く見えていません。なので具体的な数字をもって目標株価を算定するのが非常に困難です。予想配当利回りやPBRといった指標は完全に割安水準ですが、かなりの期末偏重型の配当である事を考えると今の時期は見かけ上の配当利回りにそこまで意味が無いとも言えます。なので短期的には株価上昇を見込むのは難しい局面で、株価上昇には決算で好業績が発表される事が必須になるでしょう。ただ、私は決算跨ぎは基本的に好きではないので、今は別に株を持っておく必要はあまり無く、決算を確認して良さそうだったら買い直せばいいぐらいに思います。

 という感じですが、長々と書くより実際の私の売買状況をお伝えした方が私の見立てを簡潔に伝えられるかもしれません。ティラドに関してはこれまで少しずつ買い足してきてました。現状の株価では売るつもりはないですが、それなりの保有株数になっているので買い足す予定も特に無いです。フジオーゼックスは今春以降少しずつ売却し、今の保有株数は最大保有時の2割にまで減少しました。別に全部売ってもいいと思っていますが、かなり儲けさせてもらい恩株化もしているので、少株だけ残しているという感じです。ムトー精工もほとんど全て売却し、ほんの少し残しているだけです。近々の購入予定は無く、むしろ全て売却していいぐらいに思っています。ただしムトー精工は業績次第で期中に増配される銘柄で、しかも潜在的には割安で高配当がいずれ力を発揮する筈なので、今後の決算は特に注目ていきたいと思っています。11月決算後に辺りに買い直す可能性は高いかもしれません。