書きたいトピックは本当に色々あるのですが、やはりフタバ産業については書いておかなければならないでしょう。

 

   今週から決算発表が本格化しており、昨日は保有株の先陣を切るような形で7241フタバ産業が本決算を発表しました。私といえばフタバ産業をイメージする人もいるのでは?というぐらいに当ブログでも再三名前を出してきた銘柄です。最近は配当利回りもすっかり下がりPBRも1に近づいていたので保有株数は一時期に比べて半分以下になりましたが、とはいえまだ結構な枚数を有しており、さらに四季報記載も良好とあって密かに期待していました。

 

   ですが、決算の内容は一言で言うと残念でした。直近の業績は鈍化しており今期の経常利益は19%の減益見通し、増配はあったものの増配額はたったの5円と期待ハズレ、何より会社のアナウンスである配当性向30%が守られていないというのが致命的です。フタバ産業の場合は正確には「経常的な利益に対して30%」とアナウンスしていたような気もするので何とも言えない部分はありますが、とはいえPBR1割れ状態でありながら24年3月期の純利益に対する配当性向が24.4%で今期予定が26%と出されれば市場が失望するのは当然です。また想定レートを140円とするなどかなり保守的な見通しを立てている(ように見える)のも至極残念で、株価を意識しているとは到底思えません。

 

   という訳でフタバ産業の決算評価は「❌」で株価急落は当たり前なのですが、もっと問題なのは既に決算を発表した他の自動車関連企業も総じてあまり良くない決算を出している事です。私とゆかりのある銘柄では6995東海理化・7283愛三工業・7250太平洋工業などが揃って減収減益見通し、自動車部品関連の大将とも言うべき6902デンソーは決して悪い決算でもなかったですが今期の利益見通しがコンセンサスに届いていません。こうなると私の期待株である6209リケンNPR・7236ティラド・7287日本精機あたりがとても心配になります。

 

   ただ、ハッキリ言ってフタバ産業はこれまでPBR対策を全くやってきませんでした。思い返せばフタバ産業の株価が上がったのはトヨタの威光で業績が回復しただけで、PBR向上策は全く打っていないというフザケっぷりです。その点リケンNPR・ティラド・日本精機はフタバ産業とは段違いの株主還元策を発表しており、それが実現されれば多少業績が悪くなろうが株価は上がると信じたい所。そう考えるとやはり今のうちに株数を積んでおきたいという思いは捨てられません。ただ私の場合には他にも4231タイガースポリマー・4246ダイキョーニシカワ・5013ユシロ化学・5195バンドー化学・7239タチエス・7299フジオーゼックス・7927ムトー精工など自動車関連株を多く持ちすぎているので、やはり決算前にある程度整理しておいた方が良いのではという思いになっています。

 

 最後にフタバ産業の株価ですが、配当35円の利回り4.5%~3.5%で株価777円~1000円なので、今日の終値886円というのはさすが市場の評価は中立と言うか、ちょうどいい所かなという気はします。なので800円ぐらいまで落ちるなら買っていいとは思いますし、業績見通しもおそらくかなり保守的で期中に上方修正や増配の可能性は高そうなので中期的な株価はどちらかというと上目線だとは思います。とはいえPBR1割れの分際でありながら1年以上も全くPBR向上策を打たず、それどころかアナウンス通りの配当性向さえ守らないような企業の相手はしたくないというのが正直な所です。

 

 フタバ産業から得た教訓としては、今後は投資先の選定条件として、その企業がPBR向上のやる気を見せているかどうかという点を重視するべきであるという事です。そういう意味でも大日精化工業・リケンNPR・ティラド・日本精機には期待したいです。