日本株は今週に入って調子を取り戻し、日経平均はこの3日間だけで1391円も戻しました。やはりというかイランとイスラエルは先週末の攻撃で一旦手打ちとなった雰囲気なのが反発の主要因かと思います。ただ、元々私は中東情勢よりも日銀の姿勢に大きな懸念を抱いており、特に明日から行われる金融政策決定会合は要注意のイベントになるのではと危惧しています。いくら何でもこのタイミングで利上げ等の金融引き締めが行われる事は無いと思いますが、しかし円安に歯止めをかけるべく金融引き締めにかなり前のめりな発言が出てくる可能性は否定できない…というかその可能性はかなり高いように思えてなりません。最近の植田総裁は口を開けば株価を冷やすような発言が出てくるような状態で、ハッキリ言って変な薬でも飲んで錯乱してしまっているのではないかとすら思うほどです。いずれにしても気になっている銘柄は正直沢山あるし相場もせっかく元気を取り戻してきたというのに、日銀金融政策決定会合前というタイミング故にあまり買えておらず資金を余し気味というのが現状です。

 そして日銀金融政策決定会合を通過すると、いよいよ本格的に決算シーズンに突入します。なので今回は、保有株の決算跨ぎの方針についてさらっと書いておこうと思います。

 まず今回は多くの企業で本決算発表となりますが、本決算では直近の業績よりも新年度の業績見通しがどのように出されるかが圧倒的に重要であり、また日本企業はとりあえず保守的な見通しを出す所が多いので、大前提として本決算跨ぎはあまりしたくありません。端的な例を出すと例えば多くの企業は1ドル150円台の円安で大儲けしていますが、新年度の見通しではおそらく1ドル140円~145円ぐらいの保守的な想定レートを立ててくると思われます。となるとその分だけ売上額は萎み為替益は剥落する訳です。あるいは金利上昇をシビアに見積もるという可能性も高いでしょう。私の保有する9142 JR九州は有利子負債が3960億円ありますが、仮に金利を1%高く見積もれば支払利息が39.6億円増える計算になります。このように、いくら現業績が良くてもとりあえずシビアで保守的な予測を立てられれば利益見通しはいくらでも圧縮されてしまいます。

 ただ今回の本決算に関しては、中・小型のPBR1割れ株に関してはその限りではないのではとも感じています。PBR1割れ企業はこれ以上株価を下げる訳にはいかないので不必要に保守的な見通しを出す訳にはいきません。むしろ本決算発表をPBR向上のためのプレゼンチャンスを考えている可能性もあり、それこそ8041 OUGなど本決算に合わせてPBR向上策を発表すると明言しているような企業もちらほらあります。なので「本決算跨ぎは基本的には嫌だけど、中・小型のPBR1割れ株は積極的に本決算跨ぎにチャレンジしてもいいかも…」というように感じています。

 ただし大型のPBR1割れ株に関しては話は別で、やはり本決算跨ぎは危険だと感じています。大型のPBR1割れ株というと具体的に私の保有株では5401日本製鉄や9101日本郵船になってきますが、こういった特大企業たちはハッキリ言ってPBR向上の姿勢が全く見えません。日本製鉄は昨年本決算で大減配を発表しましたし、日本郵船に関してはそれこそPBR向上策などこれまで何もやっていません。まあ日本製鉄は脱炭素やUSスチール買収といった重要な案件があるのでやむを得ないという面もありますが、とはいえこれらの銘柄に株主還元強化を期待するのは無駄でしょう。特に日本郵船は今すぐにでも売りたい気分ですが、かつてかなり儲けさせてもらった大恩ある銘柄なので、今回の本決算で最後のチャンスを与えてそれでもダメならスッパリ処分しようと思っています。