日経平均は久しぶりの上昇となりました。上昇幅自体は100円ちょっとですが騰落銘柄数を見ると8割近い銘柄が上昇で、見た目よりも良い内容だったと言えるでしょう。またチャート的にも75日線に触れて反発しており、相場が転換するならこのタイミングかなという気がしないでもありません。台湾のTSMCが好決算を発表したのも追い風になりそうな雰囲気です。
 ただしもしこの75日線を割ってしまようなら次の支持線となりそうなのは26週線ですが、こちらはまだ36000円程度なのでいっそうの下落を覚悟しなければいけないかもしれません。そういう意味ではここからの数日は正念場と言えそうです。何とか75日線で留まって欲しい所です。

 

日経平均株価 6か月チャート

75日移動平均線で反発した格好。ここでリバウンドできるか?

 



 さて最近は株主還元強化が期待できそうな銘柄を日夜探していますが、またとても気になる銘柄を見つけたので早速そこそこ買ってみました。昼にツイートしましたが8041 OUGホールディングスという銘柄になります。

 主要指標はPER4.8 / PBR0.5 /配当利回り2.8%(株主優待込みの100株利回りは3.6%)と指標はまずまず。とはいえ今は重点を置くべきはPERや配当利回りはではなく、今後期待されそうな株主還元強化策です。実は同社は今年2月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」というIRを発表しているのですが、その中でPBR向上策として「定額を基本とした配当の考え方からより積極的で予見しやすい配当方法への転換を検討」及び「株主優待制度の充実を図る」 という文言が見られます。この所私は各社のIRに目を通しまくってますが、株主還元強化に関してここまで踏み込んだ記載内容を見つけるのは稀です。



 特に気になるのは「積極的で予見しやすい配当方法への転換」という文言です。これまで同社はほとんど期中増配する事無く、配当額はほぼ毎年60円で一定していましたが、上記の文言をストレートに読むならそういった方針を改めて配当性向かDOEを採用するという事になるでしょう。しかし配当性向だと利益によって配当額が大きく上下するので配当額を予見しやすいとは言えません。となるとDOE採用を考えているという事でしょうか?まあその辺りは蓋を開けてみないと分かりませんが、いずれにしても配当性向やDOEが採用されればそれなりの増配が待っている事はまず確実です。

 なぜなら、同社はこれまで配当性向も純資産配当率(DOE)もめちゃくちゃ低いからです。下の画像に示すように、23年3月期の配当性向は12.5%、純資産配当率は1.5%でしかありません。前期(24年3月期)の配当は75円ですが、もし配当性向30%やDOE3%という株主還元が発表されれば配当は150円前後ぐらいまで大増配される計算になります。もしDOE2%というケチな株主還元強化策だったとしても今より20円ぐらいは増配となります。つまりOUGホールディングスは現行の株主還元があまりにショボいため、どんな株主還元強化策だろうが大きな増配となる可能性が高いのです。また、先ほどもちらっと書いたように同社はこれまでほぼ毎年配当60円で固定していましたが、先の3Q決算では珍しく15円の増配を発表しており、株主還元に関する意識の向上が窺えます。加えてIRでは株主優待制度も充実を図るという事なので、トータルでは結構な株主還元強化が期待できそうな雰囲気です。




 最近紹介してきた銘柄では、株主還元強化の期待度が高く為替感応度が低そうという点で4116大日精化工業によく似ていると感じます。ただ大日精化工業は業績面でも期待できそうなのに対してOUGホールディングスは業績はそこまで威張れたものでもないのでその点は割り引いて考えるべきですが、しかしその分、低PERで優待込み利回りが高いという長所もあります。また大日精化工業は株主還元強化策発表のタイミングが5月の本決算なのか中期経営計画発表時(8月?)なのか分かりませんが、OUGホールディングスのIRには株主還元に関する具体策は次回決算時(5月10日)に開示するとハッキリ記載されているのも有難い点です。それらをトータルすると、大日精化工業とも甲乙つけ難いようにも思います。

 

 どんな株主還元強化策が発表されるか?の一点勝負にはなりますが、IRの文言や現行の配当政策からの伸びしろ、さらには0.5という激低のPBR等を考えると高い期待をかけたくなります。本決算を楽しみに待ちたいと思います。