ここ最近は期待銘柄の紹介ばかりでしたが、もちろんその間にも相場は動いています。
 11日(木)には6505東洋電機製造が3Q決算を発表し、あまりよろしくない内容で翌日の株価は-6.54%と急落。やはりマイルール通りに決算直前に一部利確しておくべきでした。とはいえ急落したと言っても1か月前の株価水準に戻っただけであり、何より東洋電機製造は今回がゴールではなくむしろ来期が本番と期待している銘柄です。なのでここからは押し目を拾う感じで、どちらかと言えば積み足す方向で考えていこうかなと思っています。

 同じ日には6323ローツェが本決算を発表しました。他企業に先駆けて決算を発表する大型半導体銘柄なので市況を探るという意味でいつも注目しているのですが、今回は大方の予想を大きく上回る決算内容で、何と翌日の株価はストップ高でした。新年度の見通しも非常に良く、やはり時代は半導体なのかと思わずにはいられません。しかし一方で、私が保有する半導体商社株はここ最近揃って軟調。しかもこれまた同じ11日には8141新光商事がルネサスとの特約店契約終了という超ネガティブな発表がありました。何せ売上の52.9%を占めるルネサスとの契約が打ち切られたというのですから株価急落は当然、何とかストップ安は免れましたが私から言わせればよくストップ安にならなかったなというのが率直な感想です。

 今回の件を受けて、半導体商社に関する考えを改めていかなければならないというのが正直な思いです。私が半導体商社株を買い集めたのはコロナの影響で半導体不足が深刻化していた頃であり、当時の半導体商社は大体どこも好業績・高配当が約束されているような雰囲気でした。しかし今は半導体供給の回復によって業績は落ち着き始めており、何よりこの1~2年で株価が結構上がってしまったので各社そこまでの高配当でもなくなってしまっています。また半導体供給の回復後は合併や買収といった業界再編が進むのではと期待していましたが、蓋を開けてみると確かにそういった流れになってはいるもののそれが半導体商社の株価上昇に繋がっているとは言い難い現状があります。菱洋エレクトロとリョーサンは合併後に株価が大きく下落し、グローセルはTOBに発展したとはいえその価格はPBR1割れの水準で、しかもTOBに到るまでに長い株価低迷を強いられました。そう考えると、私が保有している半導体商社株に株価が低迷していると言えるようなものは特に見当たらず、それらの銘柄はもはやリターンよりもリスクを意識しなければいけなくなってきているような感があります。

 そこに来て今回の新光商事の件です。どうやらルネサスは代理店をマクニカに集約したいという意向があるようで、今回の新光商事の切り離しもその一環と思われます。前述の菱洋エレクトロ・リョーサン・グローセルは全てルネサスとの関係が深い企業であり、これら以前には三信電気もルネサスとの契約が解消されました。この「マクニカ集約」の流れはまだ続くと見るべきでしょう。

 となるとルネサス系半導体商社として残る7467萩原電気と8159立花エレテックも、当然ながらルネサスリスクを考えておかなければなりません。今回の新光商事のようにある日突然契約解消という事だって十分有り得るでしょう。両者とも依然として好業績高配当低PBRと言える状況ではありますが、しかしそれはルネサスを顧客に抱えてこその事です。好業績高配当低PBRというメリットとルネサスリスクというデメリットを天秤にかけた時にどちらが大きいか…それを考えると正直言ってリスクの方が大きいような気がしてなりません。というかリスクの方が小さいと言い切れないようでは保有を続けるのは危険と言う事もできます。

 とはいえ萩原電気も立花エレテックも愛着がある株なので本心では手放したくはありません。立花エレテックは1年以上の継続保有で株主優待というオマケもついており、この権利を手放すのも心理的に抵抗があります。しかし僅か2000円のクオカードのためにルネサスリスクに目を瞑っていいのかと言われると、それは冷静な判断とは言えないでしょう。萩原電気と立花エレテックをどうするかは、来月の本決算までには結論を出さなければいけないと思っています。