本日は8141新光商事がルネサスとの特約店契約解消というバッドニュースがありました。明日はストップ安まで有り得るかもですが、株をやっていればこういう事もあります。残念ですが仕方ありません。

 

 

 という訳で気を取り直して、今月中に買っておきたいと思っている期待銘柄の紹介といきたいと思います。

 第3弾となる今回紹介するのは6209リケンNPRという銘柄です。

 まず基本情報として、リケンNPRは昨年10月にリケンという企業と日本ピストンリングという企業が合併して誕生した企業です。このリケンと日本ピストンリング、実は私は昨年8月の決算チェックで共に業績好調の割安株としてピックアップしていたのですが、目前に控える合併の影響がどう出るかよく分からなかったので最終的に購入候補から除外したという経緯があります。しかし、今考えるとこの時に買っておくべきでした。何せ単体でも購入候補である優良銘柄同士が統合されるのですから、普通に考えれば合併後はもっと優良銘柄になるに決まっています。企業合併は重複する事業でのノウハウの共有やコストカットなど様々なシナジー効果があり、単に1+1=2というような足し算ではありません。実際に株価も昨年8月時の水準と比較して既に倍ぐらいに上がっています。

 そんなリケンNPRですが、主要指標を確認するとPER2.3 / PBR0.7 / 配当利回り2.3%となっています。が、実はこの数値、PBR以外は全く参考にはなりません。というのも同社の24年3月期利益には合併に伴う簿記上の特殊な利益が大きく上乗せされており、そのためPERはあまり意味の無い数字になってしまっています。また配当利回り2.3%というのは一見すると低いですが、これは3月末の期末配当のみが反映された数字です(何せ会社が誕生したのが昨年10月であり、9月末の中間配当は旧リケンと旧日本ピストンリングがそれぞれ個別で配当を出しています)。なのでこの2.3%という利回りは年間利回りではなく「半期利回り」に過ぎず、実際には低配当株という訳ではありません。

 ここまでがリケンNPRの基礎的な項目の確認でした。そしてここからが今期以降に期待される株主還元策の話になりますが、同社は合併後に発表した中期経営計画で「配当性向40%以上・総還元性向70%以上」という還元方針を発表しています。という訳で業績が何となく予想できれば配当額や自社株買いの金額もおおよそ見当がつく訳ですが、とりあえず四季報を確認してみると今期の予想EPSは321.7円となっており、これに配当性向40%を掛けると年間配当は128円。現在の株価が約3000円なので配当利回り4.3%となり、ここに大量の自社株買いまでついてくるという話になります。

 この時点で既に「割安バリュー株」としての正体が浮かび上がってきていますが、しかし上記の数字はあくまで「最低限のライン」と私は思っています。配当性向は40%「以上」なので、もし配当性向50%で出してくれれば年間配当は160円となり、現在の株価水準なら配当利回り5%台に突入(しかもまだ自社株買い豊富)です。そもそも中期経営計画では今期から3年間の株主還元額が200億円と記されており、となると単年還元額は66.6億円で、発行済み株式数の2800万株で割ると1株あたりの還元額は237円です。となると株価3000円なら「還元利回り」は7.9%となる計算、これはもうディープバリュー株と言っていい水準です。

 また、このEPS 321.7円という四季報予想でさえまだまだ保守的なように感じなくもありません。リケンNPRの主力はハイブリッド車向けの部品であり、昨今のEVからハイブリッドへの回帰の流れはおそらく同社にとっては追い風です。そもそも旧リケンや旧日本ピストンリングが異常な割安(両社とも昨年夏の時点ではPBR0.3台でした)で放置されていたのは、今後世の中はEVしか走れないようになっていくというような論調があったのも大きな要因のようですが、ここ最近は完全にムードが変わってきています。まあ私は業績予測は苦手なので結局はよく分かりませんが、業態的にリケンNPRに良い流れが来ている事は確かなように見えます。

 さらに、最近旧村上ファンド系のアクティビスト(MI2)が最近せっせとリケンNPRの株を買い集めている点も見逃せません。MI2は今年に入って同社の大量保有報告書を3度提出していますが、その度に保有比率は増えています。こういうモノ言う株主が後ろについてくれているというのが株価にとってはありがたい事なのは言うまでもありません。

 もし四季報通り&配当性向40%という「最低ライン」でも来期配当は128円となり、5月の本決算では株探などで「リケンNPR、今期は60円増配へ」というようなインパクトのある活字が並び、各サイトに表記されている配当利回りも現状の2.3%→4%前後へと大きく上昇する事はほぼ確実です。自動車関連株なのでやはり円高懸念などはありますが、今回紹介予定の期待度最上位4銘柄の中では最も手堅い株かなという気がしています。

 

 


 

 

リケンNPR 中期経営計画

この4月から、3年間の「株主還元強化期間」に突入