昨日は「4点セット銘柄」ということで①PBR1割れ、②好業績、③来期から新中期経営計画、④東証から要請の株価向上に向けた取り組みの開示状況が「検討中」という4要素に注目と紹介しましたが、この内①②④については比較的簡単に調べられるのですが、③の「来期から新中期経営計画」というのは調べるのに本当に骨が折れました。各企業の中期経営計画を一目で確認できるサイトが無いので基本的には企業のホームページをまわっていくことになるのですが、企業のホームページというもは本当に見づらいものが多く、中期経営計画を探すのはめちゃくちゃ大変。正直1月~2月ぐらいは、各企業の中期経営計画探しにかなりの時間と労力を割きました。そういう経緯もあるので、この4点セット銘柄作戦はぜひとも実を結んで欲しいと切実に願っています。


 さて今日も昨日に引き続き、今私が注目しているテーマ株について書きたいと思います。今回はシンプルで、ズバリ「建設業」です。
 ただし先にお伝えしておきますが、今回書くことはあくまで私の思い込みから考えたものであり、必ずしも正確な内容かどうかは分かりません。私は建設業に関する知識は全くと言っていいほど無いド素人なので、完全に的外れな内容となってしまっているかもしれません。その点はくれぐれもご留意ください。

 では早速、なぜ私が建設業に注目しているかというと、端的に言うと建設業は来期から本格的な価格転嫁が進むのではないか?というように感じられるからです。
 この1~2年、日本にもついにインフレの波が到来したのはご存じの通りです。それに合わせてあらゆる分野で価格転嫁が確実に進んでいます。しかし私の調べでは、建設業では価格転嫁がまだ十分に進んでいないようです。最近の決算を見ていても、建設企業各社の今期業績はあまり良くないという印象を受けます。短信等を読んでいても「資材・労務費の高騰に対して価格転嫁が進まず…」といったような文言をよく見かけます。
 なぜ建設業は価格転嫁が進まないのか、それは「受注から工事完成までに長期間を要する」という建設業特有の事情が関係しているのではと私は見ています。

 話を分かりやすくするためにシンプルな例を考えてみます。例えばA企業がとある建物の工事を1億円で受注しました。工期は1年です。この時点では建設にかかる費用を4000万円と見積もっていました。つまり利益見込みは6000万円です。
 しかし、工事開始後に強烈なインフレが発生。資材費や労務費は跳ね上がり、最終的に建設費は8000万円と当初の見積もりの倍まで跳ね上がりました。結果、6000万円と見積もっていた利益は2000万円まで圧縮されてしまいました…

 というようなことが建設業界では起きているのではないかと思うのです。要は食品会社は費用が上がればそのぶん賞品を値上げすれば良い話ですが、建設業は先に売上額が決まってしまうというケースが多く、その後の費用高騰に対しての対応が難しいという面があるのではないでしょうか。とすれば、今期は高騰した費用に対して過去に受注した価格転嫁前の売上が対応してしまうので利益が圧縮されますが、来期以降は流石に一定の価格転嫁が進むと思われます。もはや物価上昇はスタンダードになっており、建設業だけがいつまでも価格転嫁が進まないというのは考えられません。それを裏付けるデータと言えるかは分かりませんが、国土交通省が発表している来期の公共事業に関する資料では、労務単価が前年比でかなり引き上げられた単価で計算されているようです。やはり建設業界にも急ピッチで価格転嫁の波が押し寄せていることは間違いなさそうです。

 もし来期に私の目論見通りに価格転嫁が本格的に進めば、建設業界の業績が急拡大することは目に見えています。それこそ昨年の上期は各食品会社が一斉値上げに踏み切った効果で業績はどこもかしこも絶好調、株価も大盛況でした。価格転嫁が業績・株価上昇に抜群の効果をもたらすことは昨年の食品会社が証明しています。

 そして私が特に期待を込める建設株がズバリ1805飛島建設です。というのもこの飛島建設は、昨日のブログで紹介した「4点セット」を全て満たしているのです。それだけで私の中では大注目だというのに、加えて建設業とあっては期待しない訳にはいきません。

 とはいえ、最初にも述べた通り私は建設業界の利益構造に全く詳しくないので、今回書いたことは基本的には私の思い込みの範疇を出ていません。なので全く間違ったことを書いてしまっており、実際は来期も価格転嫁は進まず費用の高騰に苦しめられ続けるだけかもしれません。なので個人的には、建設業に注目しつつもあまり資金を投じるのは怖いかなとも思っています。まあ飛島建設は4点セットが揃っているという強みがあるのでそこそこ買ってみたい気持ちはありますが、そんなに手広く買うのではなくこの飛島建設に注力するぐらいでいいかなとも思っています。ただ、建設業は1451 KHC(PBR0.48、配当利回り4.6%)・1807佐藤渡辺(PBR0.55、配当利回り4.2%)・1847イチケン(PBR0.62、配当利回り4.4%)など、タダでさえ高配当・低PBRの銘柄が多いという特徴もあります。なので株価と資金次第では、これらの銘柄も購入候補として考えていきたいとは思っています。