高い期待をかけたムトー精工の決算内容は散々でした。端的に言うと上方修正幅がショボすぎます。まあでもムトー精工の決算所感は3連休のどこかにまわして、今回はまた新たな銘柄紹介といきたいと思います。紹介するのは6505東洋電機製造という銘柄です。

 まず主要指標はPER12.3 / PBR0.39 /配当利回り2.9%。配当利回りは正直言って物足りませんが、期末(5月末)一括配当であることを踏まえるとまあ何とか許せるかなという水準でしょうか。本来なら配当利回りは何にも増して重要な指標ですが、今年に関してはPBRの方が重要。そのPBRは1割れどころか0.39という異常な低さ。これは急いで株価対策を打たなければいけない数値です。

 肝心の業績ですが、これがなかなかに好調です。東洋電機製造は過去2年の業績を見た所どうやら期末偏重型の利益構造になっているようで、具体的な経常利益は2年前が上半期▲0.8億円→下半期8.4億円、昨年が上半期1.9億円→下半期7.9億円と共に上半期より下半期の方が圧倒的に利益が伸び、特に4Q期間(3~5月)の利益が最も大きいという傾向がありました。3年前・4年前も調べましたが大体同じ傾向です。

 そして今年は、上半期時点で既に5.5億円の経常利益を叩き出しています。これは前年同期比で言うと2.82倍という大変な増益です。これまでの傾向で言うと下半期、特に4Qに利益が伸びることが想定されるので、そうなると今期は最終的にかなりの増益で着地することが見込めそうです。昨年11月にインドネシアの鉄道向け車両用電機品を受注したと発表しているのも、今後の業績に期待が持てる材料と言えるでしょう。実際、四季報の記載では来期はあまり見ないような大幅増益予想になっています。

 という訳で、紹介は以上です。え?それだけ?と思われたかもしれませんが、以上です。最近はツイッターのコメントでも「あみさんの綿密な分析は素晴らしい!」なんてことをよく言われるのですが、私は私は皆さんが思ってるような綿密な分析は本当にしてません。業績予測も適当ですし、財務諸表もほとんど見ません。じゃあ何をしているのかというと、割安で今後株価訂正が起きそうな銘柄を探して先回りで買っているだけです。東洋電機製造の場合はPBRが激低で今の業績が良くて今後の業績もおそらく良さそう(四季報にもそう書かれている)、ならば今買っておけばそのうち上がるだろう、本当にこれだけなのです。

 まあもう少し付け加えるなら、東洋電機製造は期中の増配実績がほとんど無いので、今後業績が伸長しても今期中の増配は期待薄かと思います。直近の株価が下落調整中なのも気になる所で、チャート上は1019円~1037円の所に窓がありますが今の感じだとこの窓を閉めそうな勢いです。なので買いタイミング的には今ではなく、何なら4月の3Q決算を確認してからの方が良いかもしれません。

 

 でも買いを保留しているうちにもし株価が上がってしまったら一番悔しいので、私はサッサと買ってみることにしました。窓閉めをすれば買い足してやればいいか、ぐらいの感覚です。短期での調整など中長期目線の私にはほとんどどうでもいい話で、数か月後に株価が上がっていればそれでいいと思うことにします。



 そして今回から、銘柄紹介の際には私の個人的な評価を付記したいと思います。あみ証券のレーティングと思って頂ければ結構です。私はピックアップした銘柄をAA・A・A-・B・B-・Cの6段階で評価していますが、評価の目安としてはこんな感じです。

AA:保有株の主力として期待
A:できれば即複数株購入したい
A-:基本的には購入&隙あらば買い足し候補
B:とりあえず少株保有はしたい
B-:購入するかどうか迷う
C:株価に注目しつつ場合によっては購入


 つまり私の中ではB以上が実際に購入に到る銘柄になるということですが、東洋電機製造はA-かBで迷って結局Bかなというぐらいの評価です。つまりBの上位と言ってもいいでしょうか。

 ただこういう書き方をすると「AAやAが良くてBやCはそこまででもないんだな」という風に誰しも思うでしょう。まあそれは確かにそうなのですが…でもAがBより明確に良いかというとそれは全く分かりません。それこそ昨年11月の決算チェックでは7927ムトー精工をAAとしましたが昨日の決算はサッパリでしたし、逆にC評価で株価が爆上げしている銘柄も結構あります。東洋電機製造にしても、業績期待だけで言うとAやA-でもいいかなという気もしますが、配当利回りが低いのでBが妥当かなと考えました。やっぱり配当利回りが2%台の銘柄にA-以上をつけるのは、私の基準ではなかなか難しいです。が、上がる株は配当利回りなど関係なく上がります。なのでAやBといった評価はあくまで参考指標であり、必ずしも絶対的な自信と根拠があって付けられているものではないということはご留意頂ければと思います。

 

 

 

 

東洋電機製造、業績

例年期末型なのに、今期は上期から絶好調。

そして四季報記載では来期さらに大幅増益の見通し