先日、道端で小銭入れのような物を拾いました。中を確認して見ると500円程度の小銭と鍵が2~3本入っていたので、当然警察に届けました。
 すると警察から、持ち主が現れた際にお礼を希望するかどうかを聞かれました。もし希望する場合は持ち主から落とし物の1割前後(つまり50円程度)が謝礼として貰え、もし持ち主が一定期間現れなかった場合には落とし物の全てが私の物になるというのです。
 とはいえ少額だし、何よりお礼を希望する場合には名前や連絡先を警察に伝えなければいけなかったので、面倒だからお礼は断ることにしました。
 しかし、その帰り道で、ふと思ったのです。
 もし持ち主が現れたら1割(約50円)を貰えて…現れなかったら全額(約500円)が私のものになる…

 ということは、私は今この時点で50円を貰って帰ってもいいのではないか???



 さて、今回は銘柄紹介でいきたいと思います。先日の決算チェックを経て購入し今現在も保有中の銘柄は2107東洋精糖・2892日本食品化工4221大倉工業・4246ダイキョーニシカワ・4404ミヨシ油脂・4617中国塗料・4619日本特殊塗料・5184ニチリン・5902ホッカン・6291日本エアーテック・7246プレス工業・7250太平洋工業・7270スバル・7283愛三工業・7338インヴァスト・7871フクビ化学・8007高島・8065佐藤商事・8076カノークス8137サンワテクノスと実に20銘柄にもなります(赤字は既に当ブログで紹介済みの銘柄)。まだ紹介していない銘柄のうちどれを取り上げても良いのですが、今回は7246プレス工業でいこうと思います。

 プレス工業は、業態としては自動車の部品を扱う製造業になります。自動車業界はここに来てようやく半導体供給が戻ってきたようで、この4-6月期の業績はどこもかしこも好調。プレス工業もその例に漏れず、4-6月期の経常利益は前年同期比+25.6%の増益でコンセンサス予想も大きく上回りました。

 ただ、今も述べたように自動車関連は総じて好調で、今回の決算チェックでも5184ニチリン・5949ユニプレス・6473ジェイテクト・7241フタバ産業・7250太平洋工業・7283愛三工業・7296 FCCなど多くの自動車部品関連企業が購入候補銘柄としてピックアップされました。ではなぜその中でプレス工業に注目なのかというと、単純に株式指標が最も割安だからです。



 表は昨日時点での自動車部品各社の株式指標。どこもPBR1割れで割安ではあるのですが、3%前後の配当利回りが多い中でプレス工業だけが唯一4%近いというのはやはり目を引きます。PBRは0.5だろうが0.7だろうが株主にとっては大した違いはありませんが、配当利回りが1%違うというのはとても大きなことです。中長期で持つなら配当利回りは0.1%でも高い方が良いに決まってますし、配当利回りが株価に与える影響も無視できません。現在のプレス工業の株価は670円ほどですが、もし利回り3.5%まで買われれば株価743円、他社のように利回り3%まで買われれば株価は867円まで上がる計算になります。

 という訳で要約すると、自動車部品関連企業は半導体供給回復で業績好調、プレス工業は似たような立ち位置の企業よりも株式指標が割安だから買いということです。え?それだけ?と思われた方もいるのではないでしょうか。今後業績が伸びそうとか、そういう分析はしてないの?と。はい、特にしておりません。半導体供給の回復は一過性のものではないので今後も基本的には今ぐらいの好業績は続くだろうという予測は立てていますが、業績面に関してはせいぜいその程度のことしか考えていません。「今後の細かい業績など考えたかて分かるかい!」というのが私の基本的な考え方。もう少し丁寧に言えば、今後の業績を予測するのはとても難しいですが、今の割安度は株式指標や同業他社との比較から容易に判断できます。今の業績がそこそこ好調で各種指標が割安でさえあれば、いずれ株価はファンダメンタルズに引っ張られる形で適正な水準へと向かう筈なのです。そもそもジェイテクトやフタバ産業やFCCだって有力な購入候補銘柄なのですから、それらよりも割安なプレス工業はそりゃあ「買い」でしょう。

 また、プレス工業は流通株式時価総額が100億円を大きく超えていることも重要な点として挙げておきたいと思います。前回のブログで書いたように、流通株式時価総額が100億円に届いていない企業は9月末までにスタンダード市場への移行を表明する可能性を否定できません。今月いっぱいは、プライム銘柄を買う際には少なくとも流通株式時価総額はチェックしたい所です。