今週火曜、2918わらべや日洋HDが配当性向を25%→40%に引き上げることを発表しました。発表前に1786円だった株価は当然ながら急騰し、現在は2090円と17%も上昇しています。この発表の背景には、東証からのPBR1倍割れ是正要求があることは明白です(わらべや日洋HDのPBRは約0.7倍)。

 最近はPBR1倍割れが問題視されており、是正が叫ばれています。私自身、PBR1倍未満こそが今断トツでアツいテーマ株だと思っています。

 そもそもPBRとは『株式時価総額/株主資本』で表される値のことです。株式時価総額とは要は株価のこと、株主資本の中で大きな部分を占めるのは利益剰余金(内部留保)なので、ざっくり言うとPBR=『株価/内部留保』と言い換えても良いと思います。

 PBR=『株価/内部留保』とすると、PBR1未満というのは分子(株価)が分母(内部留保)より小さいということを意味します。つまりPBR1未満企業とは、内部留保を貯め込み過ぎている企業ということなのです。企業が稼いだお金は、原則的には社員の賃金になるか配当として株主に還元されるかしなければなりません。しかしご存じの通り、日本企業の多くは社員を低賃金でコキ使い、株主に対しても十分な配当を出しません。その結果内部留保が膨れ上がり、PBR1割れ企業だらけになってしまっています。これは日本の労働者の賃金が上がらないことの象徴とも言えるような現象であり、東証が問題視するのは当然です。

 PBRを上げるには、方法は2つしかありません。つまり①「分子(株価)を大きくする」か②「分母(内部留保)を小さくするか」です。今後、PBR1割れの企業は間違いなく、内部留保を吐き出して株主還元し株価を上げるという策を取っていくでしょう。というか、そうせざるを得ない状況がつくられるべきです。日本の企業が内部留保を貯め込み過ぎているのは自他共に認める事実で、それは日本経済低迷の大きな要因となっています。PBR1割れ撲滅キャンペーンは企業がアベノミクスの恩恵で貯め込んだ内部留保を国民に還元することであり、必ず実行されなければいけません。

 という訳で、最近の私はPBR1倍未満株はしばらくアツいテーマであり続けるだろうと考え、今後株主還元を強化しそうな銘柄を頑張って探しています。具体的には、ただPBRが1を割れているだけではなく、好業績なのにこれまで株主還元に消極的だった企業を探しています。同じBBR1割れでも、単に業績が悪く株価が低迷してPBRが下がってしまっているような企業は、株主還元をしたくてもその余力がありません。

 例えば、1879新日本建設などは、典型的な「これまで株主還元に消極的だったPBR1割れ企業」です



 見ての通り、過去10年の総還元性向は決まって約10%。つまりこの10年間ずっと利益の90%を内部留保化してきたということで、株主還元を強化する余地はかなりありそうです。

 とはいえ、この新日本建設と似たような企業はちょっと探せばわんさか見つかります。それだけ利益を社員にも株主にも還元せずに内部留保化してきた企業が多いということで呆れてしまいますが…いずれにしてもこういう企業を洗いざらいピックアップし、その中から株主還元強化が期待できそうな銘柄を選定し複数銘柄保有してみようかと考えています。

 しかし、PBR1割れ企業があまりに多くて調べるのが疲れます…