8月の経常黒字が589億円で、8月として過去最小だったというニュースがありました。「8月として」という意味不明な括りをもって「過去最小」と喧伝するのは流石マスゴミだなと思わずにいられませんが、もっと悪意を感じずにいられないのは、「過去最小」となった要因は円安であるとほとんどのメディアが報じている事です。ヤフーニュースのトップで取り扱われたTBSの記事では「経常黒字が8月として過去最小となりました。円安が要因です」と断言している有様です。

 

 一応念の為に言っておきますが、これ、普通にフェイクニュースです。

 

 経常収支は貿易・サービス収支と所得収支から成り立っており、確かに円安は貿易収支における輸入コストの増加要因になります。ですが当然輸出額の増加要因にもなりますし、所得収支にもプラスに働きます。実際、日本の8月の所得収支は3兆1600億円もの莫大な黒字です。今回(というかこの所)経常黒字額が小さくなってしまっているのは、原油や天然ガスなどをはじめとした資源価格等の上昇が最大の要因です。それを「円安が要因」と言うのは、経済知識の乏しい国民にあたかも「円安が悪」であるかのように植え付ける事を目的とした悪質な洗脳記事以外の何物でもありません。というかもし本当に円安が要因だとすれば、何故今年1月は1ドル115円の「円高」だったのに1兆円以上もの経常赤字を計上したんでしょうかね?嘘を垂れ流し続けるマスコミにはつくづく呆れます。

 

 株の方は、先週末の米国株大幅下落をまだ消化していなかったという事で、日経平均は「予定通り」の大幅安でした。なので保有株がことごとく下落だったのは仕方ないですが、7433伯東や8150三信電気といった半導体関連銘柄の下げは少々キツかったです。ただ、引け後に発表された6323ローツェの決算が好内容だったようで少し安心しました。ローツェは保有していないですが、2月決算企業で半導体関連銘柄でいち早く決算を迎えるので毎回注目しています。同社の決算内容からするに、やはり日本の半導体関連企業の業績自体は悪くなさそうな気配が窺えます。現状、半導体商社株が私のポートフォリオの軸となっているので、1ヶ月後の中間決算期まで何とか値を保って欲しい所ですが…どうなるでしょうか。

 

 また、今日ぐらい株価が下がれば本来なら何かしらの銘柄を押し目買いといきたくなる所なのですが、ウクライナ情勢が一層泥沼化の様相を見せ、加えて間もなく米国CPI発表を控えているとあっては、とても買いに入る気力は湧きませんでした。と言うか今の相場の環境は短期的にも中長期的にも本当に悪く、軽々な押し目買いや新規銘柄買いは控えるべきかもしれないと思い始めています。もし新規銘柄を買うとすれば5192三ツ星ベルト、7609ダイトロン、8159立花エレテック辺りになるかと思いますが…まあ、今はちょっと買う気にはなれません。

 

 最後まで読んで下さってありがとうございました。