モルヒネを打つ事の承諾は私がしたので、

義母はもちろん知らない。

 

義母が病室に戻ってきて

「呼吸ちょっと落ち着いたね」と

安心してしまった。

 

でも、こちらからの呼びかけには

目で見るだけ。体は動かない。

少しだけ手を握り返す程度。

呼吸はいびきになっている。

 

この状態を見て、落ち着いたねと

言えるのってどういう事なんだろう。

私からみたら、もう最期に向かっているのに。

 

能天気に見ている義母、

認めたくないって言う気持ちが

あったんだろうと思うけど、

私は我慢できなくなり、

病室の外に呼んで

「モルヒネを打つことにしました。

白血病なので、もう何も出来ないです」

 

これを言ったのに、まだピンと

来ていないようだった。

 

私は「一緒に家に帰ろうよ」とか

「私は1人で生きていけないよ」とか

「大好きだよ、また一緒になろう」とか

「次生まれても一緒になろうね」とか

義母がいる前でも関係なく

愛の告白をしまくっていた。

 

午前中は反応あってポンポンしてくれたけど、

この時は息をするだけの夫。

大きいいびきをするだけ。

 

頬をなでたり頭の汗が凄いから

濡れタオルでふき取ったり

手をずっと握ったりしていた