空は青い、どこまでも・・・
長い旅路を歩き、縋りつくほどに意地汚い人生を歩んできたが空を仰げば変わらない青空が広がっている。
ああ、わたしはこの空に迎えられ終わりを迎えることができるようだ。
仰向けに倒れこむわたしには、もう体を動かせる力もなかった。
いや、力などあってもなくても些細なものだ。
動かすべき四肢がもうないのだから。
数千年の長き生の果てに、わたしは失っていった。
ああ、もう終わるのだ。
瞼が重い・・・そして、わたしノンエシスタの永遠にも等しい生に終わりを迎える。
ああ、青い
なんて澄み切った青だろう。
これが、死というものなのか。
それにしても、死してなお空は青いとは。
わたしは、空に弔われたのだろう。
「そうだね、君は確かに存在しないが死んだわけではないかな」
声が聞こえた。凛とした男性とも女性とも大人とも子供とも言えないそんな声だ。
「そうだったね、君は見えないんだったね。すまないね」
見えないとは何だろうか。
空は、見えているはずだが・・・。
「君は、夢を見ていただけだからね。青空の夢を」
夢だって?そんな馬鹿なことがあるか!!
わたしは、数千年ひとりで生きてきた。それが夢だっていうのか。
「ああ、夢だとも。数千年など人の身で生きながらえることはできない」
数千年わたしは、たしかに世界を歩んだ。
歩んだのだ、私の中には記憶だって・・・記憶?
「だから、言ったじゃないか。存在しないだけで死んだわけではないと。なぜなら、君は生まれる前に迷子になった魂なんだから」
何のことだ。意味が分からない。
わたしはたしかに
「全く、僕の世界の住人のくせに生まれる前に姿をくらませていろんな世界に迷い込んだ困った子だよ、君は。ノンエシスタ。これからが君の始まりの物語さ。次は迷子にならないでおくれよ。時間を戻すのは疲れるんだからさ」
そう彼?彼女?が言うと世界が歪んでいくのがわかった。
ああ、落ちていく。
そう、落ちていくのだ。
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