キミはともだち
<前回のざっくりとしたあらすじ>
病床の最中、久々に悪友Nからの電話。
その電話に、何の気なしに出てしまった僕。
しかしその電話の内容は、精神的童貞と称される
僕にとって、驚愕の内容だった。
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やはり昔からの友人と話すと、お互い会話レベルが
男子校のノリになってしまうもので、
近況報告もそこそこに、
「最近のリリーフランキーへの世間の接し方は違うと思う」
とか、
「沢尻エリカはどうしても好きになれないが、
『付き合ってくれ』と言われたら考えなくもない」
など、どうでもいい身勝手な話が熱心に繰り広げられます。
(主に僕が)言いたいことを言いたいだけ言って、気持ち良く
なったあたりで、Nがとんでもないことを言い出しました。
N「なあ」
麟「なに?」
N「今度さあ、一緒に吉原に行かねえ?」
麟「・・・よ・・・・・・・・・・・・・・・」
なんなんでしょう。
久しぶりに電話をかけてきたと思ったら。
「メシでも食おうぜ」とか「飲もうぜ」なんていう言葉が出る
タイミングのところで、「吉原に行こうぜ」とは。
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【こども必見・りん先生の『おとなのせかい』】
一時間目:吉原(よしわら)ってなあに?
東京に、「吉原」と呼ばれるところがあるのは知ってるかな?
良い子のみんなには、「吉原炎上」って映画でおなじみだよね。
でもね、残念だけど今は炎上していないんだ。
時の流れは残酷だよね。
先生もよくわからないんだけど、今の吉原には、
女性がいっぱいいてね、お願いするとオッパとか
オッシリとかを見せてくれるんだって。
まあ、そういう点で言えば、「男性炎上」してるってことかもね。
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僕はとりあえず、
「何言ってんのお前」と一喝し、
「なんで吉原なんだよ、白木屋でいいだろ」
と代替案を出しましたが、Nの吉原熱は思った以上に高いようで、
「吉原に行ってから白木屋でいいじゃん」という、折衷案を
出してきたりして、しばし「行く」「行かない」の押し問答が続きました。
ここでお断りしておきたいのは、僕はこの記事で、
「僕は風俗には行かない主義の男ですよ」とか、
「童貞は愛する人に奉げたい(!)と思っていますよ」などといった、
『如月麟イメージアップ(ある意味ダウン)作戦』を展開したい
わけではないのです。
僕も男の端くれですし、もはや銭湯でも前を隠さないほどの大人。
やはり淫靡なことには喰らいつきます。
淫靡のためにがっつきすぎて、女性から
「女の子はシュガーアンドスパイス。優しいだけじゃダメなんだよ」
などと、なんとも風味絶佳なことを言われたりした経験もあります。
なので、「吉原(風俗)に行こう」という誘いに、心が揺れたのは事実。
じゃあどうして頑なに「行かない」と言い続けたのか。
それは、この「吉原論争」を解決に導いた僕の一言から
容易に推測できると思われます。
麟「おごってくれるならいいよ」
もはやプライドのカケラもない、魂から出た言葉です。
このソウルワードがNの心を打ったのか、
はたまたNにもお金がないのか、
「それじゃあ・・・またにするか」と、ようやく折れてくれました。
僕の心も折れていました。
しかしニヤリ。一安心。
雰囲気が和らいでいく中、
麟「吉原はまた今度にしてさ、久しぶりに飲もうよ」
N「そうだな。直接話したいこともいっぱいあるしな」
麟「だろ?来週ぐらいだったら(体調的に)大丈夫だけど」
N「マジで?じゃあ来週の後半あたりでどうよ?」
麟「いいよー。空けとくよー」
(よかった。Nと飲むのは楽しいし、来週が楽しみだ。)
と思ったのもつかの間、その後僕は、
「吉原論争」が、Nの壮大な計画の序章にすぎなかったと
思い知らされることになります。
皆「どうせたいしたことねえな」と思っていることでしょうが、
そろそろリンゴ酢(林檎のかわり)を飲む時間なので、
続きは次回!