8月27日<現実>中編 | P's diner

8月27日<現実>中編


<前編のあらすじ>


大人になって、旅先でオロオロするのは恥ずかしいものです。

そうならないために、事前に緻密な旅プランを
立てていた僕。

颯爽と新大阪駅に降り立ち、いざミナミへと

向かおうとしたとき、


「大阪の電車を全く調べていない」


という、衝撃の事実にぶちあたりました。


完璧だったはずの計画に、もう穴が!


朝っぱらから冷や汗でびっしょりになりながら、

僕は新大阪駅で立ち尽くすのであった。


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【御堂筋線・なんば駅到着】09:30


とりあえず、新大阪駅の駅員さんに、


「ほ、法善寺横丁はどこでしょうか」


と、無知丸出しで聞いてみたところ、泣きたくなるほど

親切に、いろいろ教えてくれました。


駅員さんの指示通りに御堂筋線に乗り、

なんば駅を目指します。


電車の中では、

「みんな大阪弁なんだな」などと、

当たり前のことを考えていました。


そんなこんなで、無事になんば駅に到着。

駅員さん、本当にありがとう。



【法善寺横町到着】10:20


新大阪駅で発した言葉、


「ほ、法善寺横丁はどこでしょうか」


僕はこの言葉を、実際に法善寺横町に着くまで、

さらに4回口にしました。


交番で2回、そのへんのオバサマに2回。


ものすごく迷ってしまいました。


みんなわかりやすく教えてくれたし、

要所要所にある市街地図を何度もチェックしたのに、


なんば駅からゆっくり歩いても10分で着くところに

行くのに、なんだかんだで1時間近くかかってしまいました。


確信を持って歩いていたのに、気づいたら

「なんばグランド花月」(逆方向)に着いたときは、

かなりのショックでした。



・・・まあ、僕は昔から

「話も聞かないし、地図も読めない男」と呼ばれた

無頼漢ですから。


東京に住んでるのに、車で池袋から新宿(電車で8分)に行くのに、

1時間半かかっちゃう男ですから。



ようやくたどり着いた法善寺は、思ったよりも小じんまりしていて、

それがかえって良い感じ。


50円玉をぶん投げて、

旅の安全と、「もう迷わないように」とお願いしました。


法善寺がある通りの、一本隣の通りが「法善寺横町」で、

とてもイカス飲み屋が立ち並んでいるのです。

朝に行ったので、当然閉店率は100%。


残念。



【大丸・心斎橋店到着】10:40


「法善寺の流れで、道頓堀でもブラつこうかしら」


ミナミ散策はまだ続きます。


せっかく大阪に来たからには、

でっかいカニとかフグ、あと、食いなんとか人形なんかも

見ておきたいものです。


法善寺から道頓堀までは、目と鼻の先。

2分も歩けばカニが見れるなと思って歩くものの、


15分以上歩いても、まったくカニの姿が見えません。


50円では足りなかったのか。


再び冷や汗がタラリとしはじめたころ、

偶然大丸の前に到着しました。


自分の方向音痴ぶりに、さすがに怖くなりつつ、

歴史あるオペラハウスのような大丸の中に

入ってみます。


内装の高級感に完全に気おされながらも、

頑張って4階紳士服売り場に行きます。


「じばんしー」や「どるちぇあんどがっばーな」

なんかがひしめく中を、


汗ポロシャツに汗ジーンズでヨボヨボ歩く僕は、

大丸側にしてみたら軽く営業妨害だったのか、


すぐに屈強な黒人ガードマンが現れて、


「申し訳ありませんが、とっととお帰りやがりくださいませ」


「ここは大丸でございます。貴様のような貧乏人は、

ドブ板を掛け布団にくたばりやがれでございます」


などと、やんわり追い返されてしまいました(一部脚色)。




気づけば時間は午前11時。


なんとしても12時までに新世界に行かなくてはならない

僕としては、また迷う時間などを加味して、そろそろミナミを

あとにしなければなりません。


情報によると、なんば駅から御堂筋線に乗って、

「動物園前駅」に行けばいいとのこと。



再びなんば駅を目指し、歩きます。


その途中、またも偶然カニなどを見ることができ、

とりあえず一安心。


心おきなく新世界にいけそうです。




え?

「どうして12時までに新世界に行きたいのか」って?






へっへっへ。


会ってきたんですよ。

とある大阪読者の方に!




というわけで、感動の後編につづく






え?

「長い」って?



それは本当にごめんなさい。