8月4日<現実>後半 | P's diner

8月4日<現実>後半


<前半のざっくばらんなあらすじ>


腰痛のために参加できなくなったポアロの代理で、

リンとその仲間たちは、豪華クルーザー『清純な娼婦号』に

乗って、快適な太平洋の旅を愉しんでいた。


しかし、突然とある沖で船が停泊してしまう。

すっかり観光気分だったリンたちに、緊張が奔る。


そしてその時、キャプテン今井が、重い口を開いた。




キャプテン今井(デフォルメ)

「前方から流木が来ているので、

ちょっと停まってやりすごしまーす

ヨーソロー!」



「えっ」と思って前方を見てみると、

キャプテンが言うように大小様々な木のキレッパシが。



船はものすごく弱いので、流れてきた木がゴンと当たったり、

スクリューに巻き込んでしまうと、簡単に身動きが取れなく

なるそうです。




キャプテン今井(海への愛)

「船はデリケートなものなんですヨーソロー・・・」






そんな勉強をしつつ、今度こそ本当に目的の海域へ到着。








一同が甲板に集まります。



ベタな表現ですが、

「ああ、地球ってやっぱ丸いんだなあ」と思えるような、

視界360度水平線の世界。



いよいよ散骨がはじまります。



まず、バスケットいっぱいの花を、半分ぐらい

海に撒きます。


花と海


その後、水溶性の袋に入れられたお骨を海へ。



僕も直前まで、粉状のお骨をハラハラと海に撒くのかなと

思っていたのですが、


船の上は風が強いため、「撒いた」というより

「飛ばされちゃった」に近くなってしまうらしいです。


なので今は、袋にまとめて、海の中に投げ込むのが

一般的だそうです。


(さすがに写真は自主規制)


その後、残りのお花半分をまた海へ。



花が全て海に供されたあたりで、

キャプテン今井が、長めの汽笛を鳴らしました。




聴こえるのは、波の音と船の汽笛だけ。

海に漂う無数の花、ゆっくり沈んでいく故人の骨。


静かに船が動き出して、お骨を撒いた場所を

一周、二周。





そのときの海の様子・人々の様子は、

先取り日記どおりで悔しいですが、





本当に本当に神秘的でした。


そして、「故人を皆で送っているんだ」と、

強く感じ入ってしまいました。





海にはなんの思い入れもない僕なのに、

というか泳げもしない僕なのに、



「こういう風に送ってもらえたら、本当にシアワセかもしれない」

なんて思ってしまうほど、良かった。



本当にいいもの・いいことに出会ってしまうと、どうしても

ストレートな言葉しか出ないポンコツ脳で申し訳ないです。





でも本当に良かった。






その後はというと、皆で食事をしたレストランに、

キャプテン今井が2メートル超のカジキマグロと一緒に

映っている写真が飾られていたことぐらいしか印象に

残っていないので割愛しますが、




最後に僕と遺族の会話の一部を。




麟「こうやって海にお骨を撒くぐらいですから、

 奥さん(故人)は本当に海がお好きだったんですねえ」


旦那「いやね、海も好きは好きだったんだけど、

 (石原)裕次郎が大好きだったんだよねえ」


麟「・・・あー・・・そうなんですか」


旦那「裕次郎っていったらハワイだけどさ、さすがにハワイじゃ

 (散骨は)無理みたいだから」


麟「・・・(どう返したらいいのか)」


旦那「今晩あたり、「なんで熱海だったんだー」って怒られるかも

 しんないけど、そしたら謝るしかないわな、ははは」





そうか、愛妻家ってこういうことか。


そんなことを思った8月4日でした。



海と花