一泊予定で山の家へ。

雪も溶けたからこの時期の山を見ておきなよ、と良人に言われ。

息子が昨年末昇格試験に受かり、研修所・実地研修を経て着任した。

最年少で受かってしまった為、部下は皆年上。

かなり気を使っていて、かーちゃんはせめて支えてあげようと思い

ここしばらく、遊びは中止して下支えに徹してきた。

春の山の地域も勿論見たい。

 

 

 

 

 

見るたびに思う、これマキにしたい。

しかし、家まで引きずって行けるような大きさではない。

ここに鋸もって行くしかないかしら・・・・・

 

 

 

 

 

今朝がたの事。

曇って見えなかった山が見えてきたので

ほんの数分でしたが 祈りの場所で山と対面。

 

直ぐに天候は下り、何も見えなくなり

國と國體安穏の祈りをしていたら

軽トラが走ってきました。

「おね~さん、山菜採り?」

「いえ(祈っているとも言えないので)景色見ていただけ」

 

 

 

 

 

二人組男性。運転の男性と、同乗の

鶴のように華奢なおじいさん。

鶴のようなおじいさんが、身軽に荷台からフェンス乗り越えて公有地へ入り

「少し先でタラの芽とってきたんだ、この中にもあるんだよ」

3年もここで祈って来たけれど、そんなこと知らなかった。

 

 

 

 

 

何となく、運転のおじさんとそこであれこれと語り合ってしまい

(話が面白かったのは確か。おじさん、いま農業やってるっていうので

農作物に何施肥してる?とかね

農業やってる同士の話は尽きない)

「今取りに行ってるやつね、対人恐怖であまり人と話さないんだけど

俺とはウマが合うんで、こうして山菜取りとか来るんだ」

さっきとったというタラの芽をおすそ分けしてくれながら

そんな話をしていたら 鶴のおじいさんが戻って来て

また身軽に 荷台へ戻って来た。

「お疲れ様でした~、取れた~?」

つい、いつもの調子で話しかけてしまったら

鶴のおじいさん、運転の人に何かをぼそぼそと伝え

「ああ、俺の分から少し分けたよ」

俺からもあげたい、って言ってるから貰ってよ。って言ってる、

と運転のおじさんが言ってる間にも、すごく立派なものをカバンから

魔法みたいに出し、ぽいぽいと私によこしてくる。

「珍しいな、○さんが他の人に興味示すなんて」

 

 

 

 

 

 

「タラの芽採りは年に一回なんだ、また来年来る。

また来年会うよ、会おうよな」

名前も何も教える訳でもなく。ただ藪の中を分け行って、とげに刺されながら取った

山菜を惜しげもなく分けてくれて

帰る、という二人に、私は片手にタラの芽抱え、

まず、腰をおり、最敬礼してから、大きく右腕を振ってお見送りした。

おじさんは少し離れたところに止まり、二人とも窓から腕を出して

振ってくれた。

隣町から来たというおじさん達。

雲の切れ間があったから祈りの場に来た私。

雲が切れなかったら来ることは無かった。

凄い出会いだった。

 

 

一歩も藪に入ることなく、手に入ってしまった戦利品。

 

 

 

 

 

 

この冬、関東は電力ひっ迫になった日があり

自分は3月下旬から 必要最低限の家電しか使わずに来ました。

停電も余儀なくする、という報道の日、頑張ってくれたのが

非常用 揚水発電所であった、と後に知りました。

 

車で走っていて、見えるのが2分くらいなので

焦って撮るためブレブレですみません。

関東電力管内で、9カ所という 揚水発電所の一か所です。

 

 

 

 

 

この小さい発電所が 停電に陥らないよう

オーバーヒート迄 頑張ってくれました。

下の部分にダムがあり、そこから水をくみ上げ高い処にあるダムに溜める。

そこから水を流し、途中にある水車などの発電装置を回して電力を作ります。

高い処のダムに水が無くなれば発電は出来なくなります。

揚水にも電力が必要になります。電力を得るには、電力を消費する、

という事になります。

たぶんまた、夏季、電力不足が生じる時が来るのかもしれません。

その時は、またこの小さな発電所が

頑張ってくれることになるのでしょう。

 

 

 

 

 

わずか二日だったとは思えないほど色々な事があって。

お向かいさんとあれこれ話して

彼女とはどこのチェーンソーがいいかという話し合いになったり。

土地を求めた時お世話になった営業さんが

「あ~西住さん来てた~、お久しぶりです」

と、寄ってくれたり。

彼が他の部署から営業に移って来て、ひと月ほどうまく行動できなかった時

うちが登場したのだとか。

この別荘地の中に土地を求めるのは決めていたので

彼があちこちの物件見せてくれて

本当は、一度そこに別荘が建ったことがあり、即建築できる場所を見せてくれて

でもその前にあった林が気になって

「ここはダメですか?」

と私が聞いたことから、話が正式に進み始めたのが

現在家のある場所。

「西住さんの契約のあとから、すごく調子よく進んで

あそこの○さんも、×さんも・・・・(以下5件)

西住さんが、私の福の神なんです」

 

 

 

 

林を切り開いたので、樹木やそこに生きていただろう昆虫などの

命を奪う事になり、それは心が痛み

家の竣工後、その命を悼む場を作り

家に来た時と帰る時は、必ず手を合わせ感謝する。

パッと見、石が置いてあるとしか見えないが

自分にとってそこは、奪った命たちへの鎮魂の場所だ。

 

 

 

 

 

春の山は、ざわざわするほど

生の詰まった場所でした。