夜、3つ年下の弟から電話が掛かってきた。


弟との会話は、

両親の介護に関する話が多いので

怪我をしたとか、

突発的な何かが起きたのかと思い、

思わず身構えてしまった。


「どうしたの?」


「今さー、飲んだ帰りで(笑)

酔っ払ってないと言えないことだから…。

姉貴、死ぬなよ」


突然のことに、面食らってしまった。


「えー、死ぬ気はないよ笑

取り敢えず、元気だし。」


「10年後、一緒に笑って酒を飲もうぜ」


暫くケラケラと笑って話をしていたが、

どうやら弟は電話口で泣いているみたい。

一体、何があったのか…

泣き上戸だったか?

弟は、姉貴はケロッとしてるのに、

弟が泣いてちゃだめだね、と強がってくれた。


無理に笑わなくていいよ。


癌になった、という現実を受け入れることは、

おそらく、

罹患した本人より家族の方が時間がかかるんだろうな、とは思っている。


現に、

夫は定期的に私の前で泣いている。

でも、まさか、

弟に泣かれるとは思っていなかったので、

嬉しいような、こそばゆいような、

申し訳ないような…そんな気持ちになった。


うん、最善を尽くすよ。

70歳近くなっても、

楽しいお酒を飲めるよう、頑張るわ指差し