『斬らせろっ!!!』
女の怒声、悲痛な叫びで目を開けた。
「だめですよ。 人斬りは、罪なんですから。」
『斬らせろっ!!!!』
ああ。サクラの声か。
気付くのにはしばらく時間がかかった。
では、この、サクラと話している男は...
『...そういって、
そう言ってお前も、私の力だけ利用するのかっ!!?
結局、私の力だけが目的なのか?』
サクラの声の怒りと叫びの隙間に少しだけ哀しみが混じる。
これは、サクラの記憶なのか?
だから、サクラの感情がこんなに入り込んでくる?
「...そんなこと、ないですよ。 私がいつ、貴方の力を使ったんですか。」
『だって、だってお前は...』
サクラの声と、気配が消える。
「サクラ...私だって、貴方を--------------------」
再び不快音が響き渡り、場面が変わった。
「や、め.....」
『瑞希っ!!? おい、瑞希っ!!!』
へぇ。 あの人、瑞希っていうのか。
あまりの急な展開についていけない脳内はそんな無駄なことを考えていた。
『おい、瑞希。 ふざけるなよ... 返事をしろっ!!!!』
「...すみませんね... もう... もう、聞こえないんですよ。
.................サクラ..................。」
答えられるわけないだろう。
無遠慮なサクラに対して徐々にいらつき始めている自分に気付く。
瑞希さんは左目と右腕、さらに腹部からもだらだらと、血を垂れ流していた。
そんな瑞希さんの周囲には、全員同じ服装をした男達。
手には、瑞希さんのであろう血で濡れた、白い刀を持っていた。
「瑞希、お前の作ったこの札。」
男達の中心にいた初老の男が瑞希さんを見下ろし言う。
その手に持っていた一枚の紙を見て、
瑞希さんの顔には 驚き、 哀しみ、 憤り。
様々な感情が一瞬で浮かんでは消えていった。
「...そ、れは...」
「そうだよ、わかるだろう? お前が創ったやつだよ。」
瑞希さんは諦めた様に笑った。
腹部の傷口を手で押さえつけながら立ち上がる。
「ひいぃっ!!!」 男達の中から無様な悲鳴が上がる。
「...その、札は、失敗作、として、捨てたものなのですが。
あなた方の中にはゴミを漁る趣味をお持ちの方でも?」
一歩。また一歩と、にじりよる。
男達は明らかに怯え、何人かは逃げ出した。
「その札、その刀。返してください。」
最初の威勢の良さをどこかにやってしまった初老の男に右手を突き出す。
「...くそ。まだなのか....」
意味深なことを呟き男は刀を渡そうと手を伸ばした。
「.....サクラ.......。」
瑞希さんは刀に手を伸ばし、触れる。
そして。
『-------------------------------------------------------』
声にならないサクラの叫びが響き男達が次々と倒れていく。
そして----------------------------
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全てが消え、気が付いたときにはサクラと瑞希さんが自分の顔を覗き込んでいた。
「...ふむ。私に干渉したな瑞希?」
「なんのことかわかりかねますね。」
自分が目を覚ましたことに気付くと二人はまた離れていき、にらみ合う。
「あの、瑞希さん...」
「はい?」
瑞希さんは柔らかい微笑みを浮かべ振り返る。
さっきみた瑞希さんと同じ顔だ。 同一人物なのだ。
だからこそ。
「あなたは、あの時死んだんじゃないんですか?」
その言葉を飲み込んだ。
『永舞君。』
「ッ!!?」
頭の中に瑞希さんの声が響く。
うろたえる自分に対して正面の瑞希さんはずっと笑顔だ。
『おや。ちゃんと聞こえているようですね。
上手くいくとは思っていなかったので、嬉しいです。』
どうして言葉じゃなく?
瑞希さんには思っていたことが伝わってしまったらしく、
少し遠くまで行ってしまったサクラを見やり口元に一本指を立てたを
瑞希さんは しー と悪戯っぽく言った。
『わかっているとは思いますが、さっきの映像のことです。
頭のいい君なら気付いたとは思いますけど、
あれは、私の記憶です。
サクラは多分君に他の映像を見せたと思っているんじゃないですかね。』
ああ、何となくだけど、気付いていました。
伝わるかどうかはわからないけれど心の中で呟いてみた。
『それは、よかったです。』
どうやら、伝わったらしい。
『そろそろ、この身体も限界ですし。
返すとしましょう。』
勝手な人なんだな。
思ってから後悔する。 けれど、遅かったらしい。
瑞希さんは困った様に笑っていた。
『今度、この身体の持ち主のこの子のことも、教えてくださいね。』
瑞希さんのものだった身体は糸が切れた様に 頼りなく、力無く、崩れ落ちてしまった。
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3 終了です
この後はまだ出来ていないので
できしだいUPしますねー^^
2 が長かったので、
3は短く感じましたねww
4も、はやくつくりますねー
では、またー☆