「じゃあ、二人でポッキーゲームをしてください。」

 

番組でふられたお題は、ありきたりすぎるぐらい鉄板なものだった。

司会の女子二人が笑いながらも見本を見せてくれる。

ただのおふざけ。王様ゲームで使い古されたネタ。

 

なのにガオは戸惑ってポリポリと自分一人でポッキーを食べている。

 

しょーがないなあ。

こういうのはきっかけがないとね?

 

一向に第一歩を踏み出さないガオの代わりに、ポッキーを咥えて待ってやる。

ここは役柄的にガオから積極的にきて欲しいんだけどなあ?

物語的には、僕って受けだから。

 

ポッキーを銜えてガオの動向をうかがっているのに。

ぽりぽり。ぽりぽり。

ガオは黙々とポッキーを食べるばかりだ。

 

 

おーいっ!!

ゲームをする前にポッキーがなくなっちゃうぞーっ!?

 

ほらほら。

スタッフさんも困りだしてる。

 

あーっ!もうっ!!

 

照れまくるガオのために口元はカメラから隠して、強引に唇を奪ってやった。

 

見開かれるガオの瞳。

触れ合ったやわらかい唇。

キスした後どんな顔をしたらいいのかわからず戸惑っている表情。

 

どれもが可愛くて、新鮮で。

 

自分が一から教えてやってるんだ。頼りにされているんだ。

という優越感とも満足感ともつかない感情に浸る。

 

 

 

「・・・ホワン。さっきは助けてくれてありがと。」

 

 

カメラが回っていないところで、ガオがこっそりとささやく。

 

拒否しまくってたけど、僕が嫌なわけじゃなかったのだ。

戸惑いが大きすぎて行動には移せないけど、基本は素直なんだろう。

 

「うん?いいよ?お互い様だからね?」

 

 

優しく答えながら。

 

いつか強引に奪ってほしい、などと贅沢な望みを持つのだった。

 

 

 

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ポッキーゲームの動画から。

どこにあるのか忘れちゃったので、各自拾ってきてください(笑)

無責任~~。

 

まだ次男の宿題は全く終わりません。

そろそろ夕食の準備をしなくちゃー・・・。