「ホワン?」

「ん・・・?」

 

名前を呼べば、シーツに頬をうずめたホワンがこちらを見つめる。

髪をなでると、くすぐったそうに瞳を閉じる。

頬をなでると、幸せそうに微笑む。

 

彫刻のように美しかったホワンが、ふわふわとした優しい空気をまとってそこに存在する。

愛、とはこういうものなのだろうか。

 

「最初から、わかってたのか?俺が、お前を好きだって。」

「・・・まさか。」

 

積極的な態度をとりながらも、指先だけはいつも震えていた。

 

「・・・でも、写真集渡したときにもしかしたら、って思った。」

 

ふふふ。と震えていたことなど嘘のようにやわらかに、笑う。

 

「かなわないな。お前には。」

 

俺の性格やら癖やらを見抜いて、細かな演技指導をしてくれた。

ぐいぐいとひっぱっていくようで、いつも俺のテンポに合わせてくれていた。

さりげなく気がつかないふりで、いつも俺のことを気にかけてくれていた。

 

俺のすべてを知っているホワン。

惹かれないわけが、ないだろう?

 

「これからも、よろしくな?」

「・・・もちろん。」

 

ふふふ。

 

と、また幸せそうに笑う。

 

 

「演技だけじゃなく、ベッドの上でもね?」

 

いたずらっこのような笑みを浮かべて、耳元にささやかれた。

 

 

ああ。いつまでも、こうやってじゃれあっていられますように。

 

 

 

 

 

-------------完---------------