ぼんやりと信号がかすむ。

雨上がりの湿気を含んだ空気の匂いが、ふわりと鼻孔をかすめる。

 

「夜のせい、かな?」

 

人通りの少ない住宅街の静かな道を横切りながら、思う。

 

この街は不思議な場所だ。

 

めまぐるしく変化、いや、進化し続け、向上心に満ちたエネルギーに満ちているというのに。

ほんの少し郊外に外れると、のーんびりと時間が過ぎる。

 

広い庭、緑の芝生。ゆったりと寝そべる大型犬。

まるで映画の中にいるような錯覚に陥る。

 

ほっとするひとときでもあり。

忘れていた寂しさが舞い降りてくるときでもあり。

 

「今、何してるかな・・・?」

 

ふと気が付くと、スマホを取り出している。

 

「あー。これがダメなんだよね。たぶん。」

 

今までも一般的な若者と同じ程度にはスマホ依存症だったと思う。

特に仕事をしていた時は、ブログをチェックしたり、スケジュールを管理したり、

必要に迫られて、な部分もあったと思う。

 

今、は。

 

ごくごく親しい友人としかやりとりしないから、積極的にぴろぴろとスマホが呼ぶわけもないのに、気が付けば取り出して眺めている。

 

この先に。

 

大ちゃんがいると感じられるから。

 

大好きなそら。

ずっとずっと遠くまでたどってゆくと、必ず世界繋がっている。

 

あまり頻繁に連絡を取るのも迷惑になるかもしれない。

本当は毎日でも電話して、メールして、声が聴きたくて、顔が見たかったけど、我慢して、そらを見上げた。

つんと鼻をつく切なさは、慣れない空気が悪さをするせいだと自分に言い聞かせた。

 

でもね。

 

無理に我慢して、涙をこらえるよりも。

素直に好き。って伝えたほうが大ちゃんが喜んでくれることに気がついたんだ。

 

地球の不思議は、同じそらの下で同じ時間を過ごしているのに、ひるとよるにぼくたちを引き離す。

素直に伝えたくても、この不思議に邪魔されて、いつでも自由なときに、好きなだけ。というわけにはいかない。

 

だから、お互いに起きているわずかな時間がぎゅぎゅぎゅーっと濃密に大切な時間になる。

 

<ねえ?大ちゃん、起きてた>

<おう。今、風呂はいったとこ>

 

<そうなんだ。今日はどうだった?>

<どうって、稽古すればするほど、自分の未熟さに気がつく毎日だよ~>

<あはは、昨日もそんなこと言ってたよね>

<・・・。進歩ないな~>

 

他愛のない会話にほっとする。

大ちゃんは進歩がない、と言うけれど、ぼくの想像できる範囲の世界に住んでいてくれることに安心する。

画像も音質も悪い動画からでも、大ちゃんの成長は明らかなのに、別れたときのまんま、

「未熟に気がつく毎日だよ~」と弱音を吐いてくれる。

 

<ねえ、大ちゃん。僕たち同じスピードで成長できてるってことだよね?>

<どういう意味だ?>

<だってさ。片方がじーっと立ち止まってて、周りだけがどんどん成長してたら動いてるのがわかるじゃない?川の流れと一緒でさ。猛スピードで流れる川と同じ速度で自分も走ってるから、変化もないように思えるんだよ。>

 

毎日、必死で走り続ける。

それでも、同じところにとどまっているように感じる。

それは、まるっとまるごと、成長しているからだ。

 

<じゃあね、おやすみ>

 

暗くなった画面にちゅ。と口づけする。

 

「今日は声が聞けて良かった。」

 

少し、画面を眺めてしまう時間が減るかもしれない。

 

「こっちのコンタクトってちょっと合わないんだよね・・・。」

 

次に帰国できる日まで、これ以上視力が落ちないようにしないと。

 

 

ぼんやりとにじむ信号が青に変わったのを合図に、現実に戻るのだった。

 

 

 

 

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いや~。お久しぶりですWW

あまりにも放置プレイなので、何か記事を・・・と思ったけれど、変化のない毎日でして。

お話しを書いてみました^-^

検診で「スマホの使い過ぎでは?」と怒られて浮かんだネタですWWW

WiFiをやっとつなぐことができて、宝塚の舞台を二時間!とか、ちっこい画面で見てたからかな~、と、最近はスマホで動画、は自粛ですW

 

あ。健康診断のあと、私と長男以外は東京に3泊4日の旅行に行っていたのですよ~。

性格が合わない長男と二人きりなんて耐えれるかしら?と思ってたけど、静かで、家事も少なくて、平和だったわ~。

 

3人いるから、怒ることも3倍・・・ではなくて、10倍ぐらいに増えてる気がする。。。。

 

今、Mステで山崎育三郎が出てる^-^

子役もかわいい////

歌ウマさんだよね~~。